「商社 迫られる転換」を担当した印南志帆です。記事のデータを印刷所に送るまで、こんなにも事態が動き、ヒヤヒヤした特集は久しぶりでした。セブン&アイホールディングスの海外企業による買収危機に対する対抗策として、創業家と伊藤忠商事らによる「救済説」が浮上したことについてです。
大手コンビニは総合商社と密接な関係を持っています。ファミリーマートは伊藤忠の実質子会社で、ローソンには三菱商事とKDDIが50%ずつ出資しています。商社特集の取材班では、セブン&アイの買収危機に対し、セブン‐イレブンへの卸売りなどで関係性の深い三井物産と伊藤忠が今何を考えているのかを探るべく、歴史的な経緯の整理、関係者への取材などを進めていました。
セブン&アイと資本関係があるのは三井物産ですが、1970年代から長くて深い関係性を築いてきたのは伊藤忠です。今現在、消費者ビジネスに力を入れているのも同社といえます。
伊藤忠の総帥、岡藤正広会長へのインタビューを実施したのは、セブンのMBO(経営陣による買収)に伊藤忠が参画を検討していることが報じられた翌日の11月14日、朝7時半のこと。岡藤会長が口にしたのは、味を徹底して追求してきたセブンへの敬意と、従前から協力を申し出てきたということでした(詳細は、特集のp54~55ページをお読みください)。ただ、岡藤会長ご自身が自覚するように、セブンの競合であるファミリーマートを擁する同社がセブンに出資するうえではかなり難しい調整が必要になります。
「セブン争奪戦」は早くも佳境を迎えていますが、そもそも総合商社が小売業態に見出す価値とは何なのか、ここでなにをやろうとしているのか。特集内で詳報しています。
ほかにも、「脱炭素ビジネス」との向き合い方、商社を目指す就活生に役立つ5大商社の「社風図鑑」など、盛りだくさんの内容です。ぜひ、ご覧ください。
担当記者:印南 志帆(いんなみ しほ)
早稲田大学大学院卒業後、東洋経済新報社に入社。流通・小売業界の担当記者、東洋経済オンライン編集部、電機、ゲーム業界担当記者などを経て、現在は『週刊東洋経済』や東洋経済オンラインの編集を担当。過去に手がけた特集に「会社とジェンダー」「ソニー 掛け算の経営」「EV産業革命」などがある。保育・介護業界の担当記者。大学時代に日本古代史を研究していたことから歴史は大好物。1児の親。
43ページ | ■伊藤忠、住商が模索「蓄電ビジネス」の解 太陽光パネルと蓄電池の補助金に関する記述 【誤】一部は全農から補助金が出るとはいえ、思い切った買い物となった。 ↓ 【正】一部は補助金が出るとはいえ、思い切った買い物となった。 |
46ページ | ■伊藤忠、石井敬太社長インタビュー 過去10年の減損損失が少ないことについて 【誤】さらにシェールガスの失敗など、色々な処理に手いっぱいで資源の積み上げができなかった。 ↓ 【正】さらにメキシコ湾油ガス田の失敗などの処理に手いっぱいで資源の積み上げができなかった。 |
58ページ | ■三菱商事が「ローソン」に見いだす新価値 S.L.C.グループに関する記述 【誤】本社社員8000人 ↓ 【正】本社社員800人 |
62~63ページ | ■口コミ&データで比較 「本当に働きやすい」商社 伊藤忠商事、中野良祐氏の所属部署 【誤】人事・総務部企画統括室 ↓ 【正】人事・総務部企画統轄室 |