週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌

担当記者より
2024年12月21日号
2024年12月16日 発売
定価 920円(税込)
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【第1特集】今さら聞けない金利の話

日本銀行が17年ぶりに利上げし「金利ある世界」が現れました。メガバンクが利ザヤ拡大で儲ける一方、住宅ローンを抱える個人は金利負担に頭を悩ましています。では、誰が得をして、誰が損するのか。本特集では、金利の仕組みや金利上昇による株価、債券、物価、為替への影響をわかりやすく解説。また、住宅ローンは変動金利を選ぶべきかや、定期預金の動向、さらに日米の金融政策の行方についても詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
 

【第2特集】ビットコイン初の10万ドル到達 暗号資産 新たな局面


史上最高値を更新したビットコイン価格。上昇相場の裏では、これまでにない変化が起きている。

担当記者より

「今さら聞けない金利の話」の特集を担当した大野和幸です。

金利と言えば、最近では、異業種のデジタル金融進出に注目しています。筆頭は今年5月にスタートしたJR東日本のJRE BANK。話題を呼ぶのは、新幹線を含む管内の片道運賃が4割引きとなる優待割引券です。これを金額換算して“預金金利”に合算したら、結構高い利回りになるような気がします。外食企業が株主優待で食事券を株主に提供していますが、それを金額換算して、投資家向けの総還元性向の数値に加えるのと同じです。

JRE BANKは異色の存在ですが、既存の銀行も17年ぶりの「利上げ」を受け、預金金利を上げ始めました。かつて普通預金の金利と言えば、年0.001%。100万円預けても、1年後、利子はたったの10円でした。それが今年3月と7月に2度金利を上げ、今では100倍の年0.1%です。100円預ければ1年後は1000円へと変わります。

一方では、住宅ローンの金利も上がっています。まず固定金利型から上がり始め、その後は全体の7割以上を占める変動金利型も上がっています。現在、固定(「フラット35」)は1.84%、変動は平均0.45%です。これからの金利上昇を予想し、繰り上げ返済するか、借り換えるかなど、迷っている方も多いでしょう。
このように金利のない世界から「金利ある世界」に変わると、メリット・デメリットの両方が生まれます。預ける人も借りる人も、賢くなければ上手く生きてはいけません。

今回の特集では「金利」を切り口に、金利が動く仕組みから、住宅ローンの銀行別・低金利ランキングなど実践面でのノウハウ、さらに日本銀行やFRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策まで、幅広くテーマを取り扱いました。ビジネスパーソンや投資家、学生の方々などにとっては必読の情報です。ぜひ手にとってご覧下さい。

担当記者:大野 和幸(おおの かずゆき)
ITや金融、自動車、エネルギーなどの業界を担当し、関連記事を執筆。相続や年金、介護など高齢化社会に関するテーマでも、広く編集を手掛ける。

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週刊東洋経済とは

週刊東洋経済

『週刊東洋経済』は、変化する世の中を確かな視点で解明する総合ビジネス週刊誌です。

創刊は1895年(明治28年)、日本国内で最も歴史のある週刊雑誌でもあります。企業戦略から主要業界事情、国内外の政治経済はもちろん、近年はビジネス実用、テクノロジー、社会問題まで、経済の複雑化やビジネスパーソンの関心の広がりに対応し、幅広いテーマを取り上げています。

一方で創刊以来、一貫しているのはセンセーショナリズム(扇情主義)を排除し、ファクトにこだわる編集方針を堅持することです。「意思決定のための必読誌」を掲げ、今読むべき特集やレポートを満載し、価値ある情報を毎週発信しています。

週刊東洋経済の編集方針

  1. 取材力
    当社に所属する約100人の経済専門記者が主要業界、全上場企業をカバー。国内外の経済や業界、企業などを深堀りし、他には読めない記事を提供。
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    複雑な情報やビジネス慣習、制度変化などを分析し、的確に整理。表層的事象をなぞるのではなく、経済や社会の底流で起きている構造を読み解く
  3. 中立性
    企業や業界側の立場や事情に追従することなく、本誌記者は取材対象を客観的立場で分析・評価し、ときには忖度なく切り込む。

3つのポイント

視野が広がる幅広いテーマ
「健全なる経済社会を先導する」という創刊理念のもと、企業戦略やマクロ経済だけでなく、社会問題や海外情勢など幅広いテーマで特集を組み、中立的な立場で情報発信をしています。

図解や表でわかりやすく
ビジネス誌の中で随一の規模を誇る約100人の記者集団が、「経済から社会を読み解く」スタンスで徹底取材。旬な情報を図解や表にまとめて、わかりやすく解説します。

『会社四季報』の独自データで深掘り
約3,900社の上場企業すべてに担当記者を配置。財務情報から海外進出情報など『会社四季報』ならではのデータベースから独自の切り口で深掘りし、分析した連載や特集を『週刊東洋経済』で展開しています。

目次

第1特集
「金利ある世界」になると、誰が得して 誰が損する!?
今さら聞けない金利の話

[図解]1990年代から続いた超金融緩和が大転換 「金利ある世界」に備えよ!
金利上昇で起こる8つのインパクト
[インタビュー]
みずほリサーチ&テクロノジーズ エグゼクティブエコノミスト 門間一夫 「利上げは春闘の賃上げ次第だ」
日本金融経済研究所 代表理事 経済アナリスト 馬渕磨理子 「米国はインフレいかんで変わる」

第1章
基礎編 「金利を知る」
金利の仕組み 金利は誰がどう決めるのか?
金利と株価 金利上昇で必ず株は下がるか
金利と債券 金利が上がると価格は下がる
金利と物価 インフレで意識する金利1%
金利と為替 日米金利差拡大なら円安要因
[金利情報源]金利の動向を読みたいならこれ

第2章
マネー編 「金利を生かす」

[住宅ローン]金利上昇でも変動金利が得だ
変動ローン・低「表面金利」ランキング/低「実質金利」ランキング
[定期預金]預金革命で続々と金利上げ
[個人向け国債・社債]社債なら年3%台の利率も
[キャッシュリッチ銘柄]金利上昇の恩恵を受ける「株」
[金(ゴールド)]25年には最高値3000ドルへ
[銀行と金利]貸出金利を上げられない地銀
[インタビュー]
住友商事 専務執行役員 CFO 諸岡礼二 「金利コストは収益で回収したい」
マネネCEO 経済アナリスト 森永康平 「金などの実物資産に価値あり」

第3章
政策編 「金利を動かす」

[金融政策]YCC撤廃へ異例の道のり
[金利正常化]植田日銀に問われる「対話力」
[米FRB]トランプ復活で利下げ緩慢も
[負の遺産]マネーが向かった海外、不動産

第2特集
ビットコイン初の10万ドル到達 暗号資産 新たな局面
お手本は米国の「爆買い企業」 ビットコインと心中覚悟 メタプラネットの蛮勇
国内交換所トップに聞く 次の10年の勝ち抜き方
bitFlyer社長 加納裕三/メルコイン社長 中村奎太/ビットバンク社長 廣末紀之

NEWS&TOPICS最前線
戒厳令で大混乱の韓国政治 日韓関係に深刻な影響も
脱エンジン掲げるホンダ 「EV加速」阻む厳しい現実
タワマンで750億円損失 三井住友建設の正念場


連載
|経済を見る眼|東京都「週休3日制」は民間に広がるか|太田聰一
|ニュースの核心|「官民ファンド」の失敗から、官民が学ぶべきこと|岡田広行
|トップに直撃|あおぞら銀行 社長 大見秀人
|フォーカス政治|合理的判断能力の限界が選挙で露呈|山口二郎
|マネー潮流|「トランプ政権で油価下落」は幻想だ|高井裕之
|中国動態|日系外食、中国が第2の主戦場に|田中信彦
|財新 Opinion&News|中国版「空飛ぶクルマ」が商用運航へあと一歩
|グローバル・アイ|依存症を生むSNS、放任は国家の責任放棄|ペーター・キルヒシュラーガー
|Inside USA|トランプ政権人事から見える米国の思想潮流|会田弘継
|少数異見|「デジタル無法」にどう対処する?
|ヤバい会社烈伝|ヤバい会社大賞2024 栄冠はやはり この男の手に!|金田信一郎
|知の技法 出世の作法|佐藤流・情報の収集と分析の手法 85|佐藤 優
|経済学者が読み解く 現代社会のリアル|言う側にも負荷はかかるが 「ルール違反」を注意する?|亀井憲樹
|話題の本|『バリアバリューの経営 障害を価値に変え、新しいビジネスを創造する』著者 垣内俊哉氏に聞く ほか
|社会に斬り込む骨太シネマ|『型破りな教室』
|ゴルフざんまい|JLPGAは下剋上と戦国時代の様相|小林浩美
|西野智彦の金融秘録|異次元緩和「解体」への道⑤
|編集部から|
|次号予告|

今後の発売スケジュール

  • 11/4(火) 週刊東洋経済 2025年11月8日号
  • 10/27(月) 週刊東洋経済 2025年11月1日号

訂正情報

「週刊東洋経済2024年12月21日号」(12月16日発売)に、以下の誤りがありました。訂正してお詫び致します。
 
27ページ ■中国動態 日系外食、中国が第2の主戦場に

はま寿司の記述
【誤】直営とフランチャイズを合わせて60数店舗
 ↓
【正】直営で74店舗