「今さら聞けない金利の話」の特集を担当した大野和幸です。
金利と言えば、最近では、異業種のデジタル金融進出に注目しています。筆頭は今年5月にスタートしたJR東日本のJRE BANK。話題を呼ぶのは、新幹線を含む管内の片道運賃が4割引きとなる優待割引券です。これを金額換算して“預金金利”に合算したら、結構高い利回りになるような気がします。外食企業が株主優待で食事券を株主に提供していますが、それを金額換算して、投資家向けの総還元性向の数値に加えるのと同じです。
JRE BANKは異色の存在ですが、既存の銀行も17年ぶりの「利上げ」を受け、預金金利を上げ始めました。かつて普通預金の金利と言えば、年0.001%。100万円預けても、1年後、利子はたったの10円でした。それが今年3月と7月に2度金利を上げ、今では100倍の年0.1%です。100円預ければ1年後は1000円へと変わります。
一方では、住宅ローンの金利も上がっています。まず固定金利型から上がり始め、その後は全体の7割以上を占める変動金利型も上がっています。現在、固定(「フラット35」)は1.84%、変動は平均0.45%です。これからの金利上昇を予想し、繰り上げ返済するか、借り換えるかなど、迷っている方も多いでしょう。
このように金利のない世界から「金利ある世界」に変わると、メリット・デメリットの両方が生まれます。預ける人も借りる人も、賢くなければ上手く生きてはいけません。
今回の特集では「金利」を切り口に、金利が動く仕組みから、住宅ローンの銀行別・低金利ランキングなど実践面でのノウハウ、さらに日本銀行やFRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策まで、幅広くテーマを取り扱いました。ビジネスパーソンや投資家、学生の方々などにとっては必読の情報です。ぜひ手にとってご覧下さい。
担当記者:大野 和幸(おおの かずゆき)
ITや金融、自動車、エネルギーなどの業界を担当し、関連記事を執筆。相続や年金、介護など高齢化社会に関するテーマでも、広く編集を手掛ける。

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