週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌

担当記者より
2025年1月11日号
2025年1月6日 発売
定価 950円(税込)
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【特集】不動産&マンション 新次元


金利上昇を受けて、不動産開発は事業会社が戦略的に価値を上げる「バリューアッド」が軸になっています。一方、マンションは「資産価値×居住価値」で選別する時代に突入しました。本特集では、復活する海外ファンドなど不動産市場をめぐる国内外投資家の動向や、ホテル、物流施設など注目セクターの新潮流、熱狂が続くマンション市場などをリポート。首都圏・関西圏・中京圏でのマンション選びに役立つ、割安で住みやすい街がわかる独自指標のランキングを一挙公開します。

担当記者より

特集「不動産&マンション 新次元」を担当した梅咲です。

セレンディピティという言葉を知ったのはコロナ禍のことです。偶然の産物は取材先の会話からも生まれました。ワンノブアカインドの川島社長がこう語りました。「住宅選びの指標となる資産価値データは当社にあるが、重視すべき居住価値を数値化したものが見当たらない」と。

その瞬間、私はひらめきました。「弊社には『都市データパック』がある!」。都市データパックは全国815市・特別区と47都道府県、926町村の最新データを掲載する媒体です。「このデータに基づく居住価値とワンノブアカインドのデータによる資産価値を組み合わせて新しいデータが作れるかも」と考えたのです。

私はかつて、東洋経済オンラインで、特徴のある「区」や「市」に焦点を当てた「この街の論点!」シリーズの執筆を担当していたことがあります。取材前には、都市データパックを熟読して準備していました。このときの経験が、今回の企画に生きたのです。

こうして生まれたのが62ページから掲載している「割安で住みやすい街はここだ!『資産価値×居住価値』ランキング」です。「安心度」「利便度」「快適度」を導き出すために、実に多くの指標やデータが使用されています。弊社のデータ事業局のプロが複雑な情報を整理し、見やすい形に仕上げました。資産価値と居住価値を両面から見たランキングをぜひご覧ください。

今回の特集ではそんな注目のテーマに、ビジネスパーソンにとって必読の知見を盛り込みました。読者のみなさまの貴重な情報源になると幸いです。

担当記者:梅咲 恵司(うめさき けいじ)
ゼネコン・建設業界を担当。過去に小売り、不動産、精密業界などを担当。『週刊東洋経済』臨時増刊号「名古屋臨増2017年版」編集長。著書に『百貨店・デパート興亡史』(イースト・プレス)。

>>週刊東洋経済編集部の制作にかける思い

週刊東洋経済とは

週刊東洋経済

『週刊東洋経済』は、変化する世の中を確かな視点で解明する総合ビジネス週刊誌です。

創刊は1895年(明治28年)、日本国内で最も歴史のある週刊雑誌でもあります。企業戦略から主要業界事情、国内外の政治経済はもちろん、近年はビジネス実用、テクノロジー、社会問題まで、経済の複雑化やビジネスパーソンの関心の広がりに対応し、幅広いテーマを取り上げています。

一方で創刊以来、一貫しているのはセンセーショナリズム(扇情主義)を排除し、ファクトにこだわる編集方針を堅持することです。「意思決定のための必読誌」を掲げ、今読むべき特集やレポートを満載し、価値ある情報を毎週発信しています。

週刊東洋経済の編集方針

  1. 取材力
    当社に所属する約100人の経済専門記者が主要業界、全上場企業をカバー。国内外の経済や業界、企業などを深堀りし、他には読めない記事を提供。
  2. 分析力
    複雑な情報やビジネス慣習、制度変化などを分析し、的確に整理。表層的事象をなぞるのではなく、経済や社会の底流で起きている構造を読み解く
  3. 中立性
    企業や業界側の立場や事情に追従することなく、本誌記者は取材対象を客観的立場で分析・評価し、ときには忖度なく切り込む。

3つのポイント

視野が広がる幅広いテーマ
「健全なる経済社会を先導する」という創刊理念のもと、企業戦略やマクロ経済だけでなく、社会問題や海外情勢など幅広いテーマで特集を組み、中立的な立場で情報発信をしています。

図解や表でわかりやすく
ビジネス誌の中で随一の規模を誇る約100人の記者集団が、「経済から社会を読み解く」スタンスで徹底取材。旬な情報を図解や表にまとめて、わかりやすく解説します。

『会社四季報』の独自データで深掘り
約3,900社の上場企業すべてに担当記者を配置。財務情報から海外進出情報など『会社四季報』ならではのデータベースから独自の切り口で深掘りし、分析した連載や特集を『週刊東洋経済』で展開しています。

目次

特集
不動産&マンション 新次元

PART1
不動産 新しいうねり

不動産 2つの新機軸 「戦略的賃料上げ」と「働き手重視」
Bクラスのオフィスが続々リノベへ ペットと一緒に働くオフィスも登場
注目セクターの新潮流 好調のホテル・データセンター、物流施設の苦境
[インタビュー]「キーマン」に直撃 市場活況は続くのか?
「日本での金利上昇は限定的 フォローの風が吹く」 JLL日本法人 社長 河西利信
「新築の供給減が転機に 需給逼迫で賃料伸びる」 ケネディクス 社長 宮島大祐

PART2
不動産 活況の裏側

賃料やビジネスモデルを間違えれば撃沈する バリューアッド苦戦実録
事業会社に眠る「お宝」に照準 デベとファンドの虎視眈々
罪深きは「タコ配」投信 J-REIT凋落の真犯人
揺れる私募REIT 「農中ショック」の余波
私募REIT運用は甘くない 「非不動産会社」続々参入の不安
ついに動いた銀座の名物ビル 丸源ビル「売却劇」の真相
銀行の攻防① 銀行vs.デベ・ファンド 貸出金利 水面下の心理戦
銀行の攻防② 大手銀行vs.ネット銀行 住宅ローンの「我慢比べ」は続く

PART3
マンション 真の価値

熱狂続くマンションの行路 「資産価値×居住価値」の新方程式
高級マンションやアパート1棟買いも 冷めやらぬ中国富裕層の不動産買い
年収増は金利上昇に追いつくのか? 「住宅ローン」負担シミュレーション
中古の「真の価値」① 活発化する管理組合ビジネス
中古の「真の価値」② 居住価値で選ぶ時代の落とし穴
一挙公開! 大注目の独自指標
ランキング① 割安で住みやすい街はここだ!
「資産価値×居住価値」ランキング 首都圏・関西圏・中京圏
ランキング②「都心からの移動時間」で見る マンションの狙い目エリア
坪単価で比較した割安な駅はここだ!
ランキング③ あなたのマンションの資産価値は?
注目の中古マンション値上がり率ランキング
このままではバブル再燃の懸念 国政に欠ける「住宅政策」の視点

NEWS&TOPICS最前線
日産を救済しないホンダ 波乱含みの「世紀の統合」
日本郵便がヤマトを提訴 令和の“大同団結”が泥沼化
開けたのはパンドラの箱か 三菱UFJ銀「貸金庫事件」


新連載(月1連載)
ドキュメント 伝説のマンション王国 大京
[No.1] タワマンブームの源流 「エルザタワー55」の全貌

連載
|経済を見る眼|人手不足時代の経済政策は発想の転換を|早川英男
|ニュースの核心|日米中共存のための「大きな物語」構築を|西村豪太
|トップに直撃|旭化成 社長 工藤幸四郎
|フォーカス政治|首相提唱「防災庁」に必須の5大機能|飯尾 潤
|マネー潮流|慎重な景気予測が大ハズレした理由|森田長太郎
|中国動態|軍にパラノイア、習統治に揺らぎ|益尾知佐子
|財新 Opinion&News|中国BYD、仕入れ先に10%値下げ要請の波紋
|グローバル・アイ|トランプ時代の日本の「耐性」に私は楽観的だ|クリス・パッテン
|Inside USA|民主主義を破壊する「テックビリオネア」たち|瀧口範子
|少数異見|「防衛費の大増額」で起きていること
|知の技法 出世の作法|佐藤流・情報の収集と分析の手法87 |佐藤 優
|経済学者が読み解く 現代社会のリアル|野菜不足を解消?「ナッジ」で食生活が変わる|佐々木宏樹
|話題の本|『石橋湛山を語る いまよみがえる保守本流の真髄』著者 田中秀征氏に聞く ほか
|名著は知っている|『エチカ』[上編]
|社会に斬り込む骨太シネマ|『占領都市』
|ゴルフざんまい|ホールインワンはゴルファーの憧れ|佐藤信人
|PICK UP 東洋経済ONLINE|
|西野智彦の金融秘録|大平・前川会談の全貌(補遺)
|編集部から|
|次号予告|

今後の発売スケジュール

  • 11/10(月) 週刊東洋経済 2025年11月15日号
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