特集「もうけの仕組み 2025」を担当した松浦です。
突然ですが、メルマガ読者の皆様はビールの主原料で金額がもっとも大きなものをご存じでしょうか?
麦とホップだと思った方、は惜しい。たしかにこうした農産物も主原料に含まれますが、金額で見ると、飲料用の缶(アルミ缶)と宣伝広告費になります。
では、売り先は? 関連する業界は?・・・などなど。
ビール業界を知るには、決算だけでなく、こうした取引構造、つまりサプライチェーンも知る必要があります。
週刊東洋経済では「もうけの仕組み」をというテーマで、2023年と2024年はビジネスモデルに特化した特集を組んできました。3回目となる今回はサプライチェーンを特集しています。
実は、もう何年も前から、サプライチェーンで特集を作れないかと考えてきました。
というのも、2011年の東日本大震災から、近年のコロナ禍に至るまで、企業のサプライチェーンは毎年のように危機にさらされ、大切さが声高に叫ばれています。
一方、企業にとって、どの企業からいくら買って、どこの企業や消費者にいくら売っているか、というサプライチェーンの情報は競争力に直結するため、明らかにされることがほとんどありません。
またビジネスモデルであれば、決算書を基に図解を起こせますが、サプライチェーンの場合はこうした基礎となる資料がほとんどありません。
そのため、われわれにとって、なかなか記事が書きづらく、雑誌のフォーマットに落とし込むのが難しいテーマとなっていました。
とはいえ、サプライチェーンは読者の皆様にとって、知っておくべき重要な内容であることにはかわりません。
そこで、数年前から、産業間の取引金額を記載した、マクロ統計の「産業連関表」に目をつけて、コツコツと解読を進めてきました。
産業連関表が何か、どういった手法で図解しているか、は多少難解な話なので、特集に譲ります。
今回は記者の知見を図解した産業の断面図と、産業連関表を使ったコンパクトな図の2種類を用意し、合計56業界、計66点の図表を盛り込みました。
株式投資の銘柄探し、営業先の開拓、そして雑学やビジネス教養に使っていただければ幸いです。
どうぞお楽しみください。
担当記者:松浦 大(まつうら ひろし)
1984年生まれ。明治大学卒、同大学院修了(商学修士)後、2009年に入社。記者としては自動車、外食、鉄鋼、ホテル・旅行、ゼネコンと住宅・住宅関連業界を担当。妻と娘、息子、オウムと暮らす。