特集『脱・管理職罰ゲーム』を担当した堀川美行です。
今、管理職の仕事は「罰ゲーム」と言われています。罰ゲームであるなら、管理職へのなり手はいなくなります。その組織は中枢にぽっかりと穴が開いたような状態になるでしょう。もう組織として、成り立たなくなるのです。
なぜ罰ゲーム化したのでしょうか。ビジネス系の新書で異例の大ヒットを記録している『罰ゲーム化する管理職』。著者でパーソル総合研究所主席研究員の小林祐児氏は最初に「組織のフラット化」を指摘します。
企業は人件費抑制などを目的に管理職削減やピラミッド型組織の見直しを進めてきました。その結果、1人当たりの管理職が担う仕事や責任は劇的に増えたのです。でも、その分、給与が増えたのかといえば、そうでもありません。
そして、働き方改革やハラスメント改革がダメ押しになりました。部下に仕事を任せるづらい雰囲気になって、上司は自分で仕事を抱えてしまう。
非正規雇用の増加、コミュニケーションの負担増加……。これらの要素は管理職にとっては、危険な「わな」のような感じではないでしょうか。本来は組織全体の仕組みの中で、対処すべき問題であるばずですが、そのすべてが管理職にのしかかっているのが現状なのです。
特集では専門家に現状分析と「脱罰ゲーム」への具体策を聞きました。若手の早期抜擢や女性の積極的な登用などに取り組む企業も紹介します。罰ゲームを脱した後にはどんな管理者が登場するのでしょうか?そのヒントをつかんでもらえたらと思います。
担当記者:堀川 美行(ほりかわ よしゆき)
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