頭脳派ゴルファーのための今までにない方法!
「頭のいい人」ほどゴルフはもっとうまくなる。ゴルフで最も重要なのは「判断」であり、熟慮速断とスピード学習でゴルフは劇的に変わる。ゴルフという領域で、知覚、確率判断、状況判断をどう統合するか、これらをパフォーマンス向上にどう活かすかを説くのが本書である。
著者は、『すぐれた意思決定』(中央公論新社、1997年)で、演繹合理的な意思決定論(統計学等)と経験合理的な意思決定論(行動経済学等)を組み合わせ、最も適切な判断を下すべきと主張している(診断論的意思決定論)。
ただし、実務の領域では、繰り返し似た状況が生じるので、個々の判断そのものよりも、判断力自体を向上させることも相当な重要性がある。その点で、仕事とゴルフとの間には意思決定の底流で共通するものが実に多くある。
著者はゴルフを真面目にするようになって4年で、公式ハンディキャップが34から5に急向上した。そうした体験に裏付けられた、判断力そのものの向上を促す具体的な方法を本書では提示する。
第1章 ゴルフの上達=判断力の向上 第2章 ドクターゴルフになろう I部 ゴルフは錯覚のゲーム 第3章 錯覚がなぜ生じるか 第4章 ゴルフにおける錯覚を類型化する II部 ゴルフは確率のゲーム 第5章 不確実性に対処する 第6章 コース戦略を考える 第7章 無謀なショットの認知心理学 III部 学習スピードを上げる 第8章 実践知を高度化する 第9章 メタ認知学習でドクターゴルフになる 終章 ゴルフを通じて意思決定能力を向上させる
印南一路
いんなみ・いちろ
1982年東京大学法学部卒業。都市銀行、厚生省(現厚労省)を経て、ハーバード大学行政大学院、公衆衛生大学院に留学。1992年、シカゴ大学経営大学院にてPh.D.取得(組織論)。1994年から慶應義塾大学総合政策学部教授。専門は、意思決定論・交渉論と医療政策。
著作に『すぐれた意思決定』『すぐれた組織の意思決定』(中央公論新社、1997年、1999年)、『ビジネス交渉と意思決定』(日本経済新聞社、2001年)、『「社会的入院」の研究』(東洋経済新報社、2009年、第52回日経・経済図書文化賞)等、訳書に『新ハーバード流交渉術』(講談社、2006年)がある。太平洋クラブメンバー。