「恐竜博物館」など、福井県観光営業部の取組みを 紹介しながら、挑戦する行政の姿を描く。
「それは民間の仕事で、行政が手を出すべきではない」。
このような、伝統的な官民の役割分担論がある。行政は許認可や規制を行い、補助金を出すもので、民間は商品を作ったり、売り込んだりする、という考え方だ。
しかしそれだけではもう、地域の課題を解決できないのは明らかだ。
行政にも民間にも、当然のことながらさまざまな制約がある。それを乗り越えていく新しい挑戦、それが「行政ビジネス」である。
本書では、福井県観光営業部のさまざまな試みを紹介しながら、 この新しいビジネスの可能性と面白さを示してみたい。
第1章 「行政がビジネスをする」ということ 第2章 行政ビジネスを理解する 第3章 行政ビジネスを進める 第4章 行政ビジネスを創造する 第5章 行政ビジネスのこれから
稲継裕昭
いなつぐ・ひろあき
早稲田大学政治経済学術院教授。1983年京都大学法学部卒業。京都大学博士(法学)。大阪市職員、姫路獨協大学助教授、大阪市立大学大学院法学研究科教授等を経て現職。放送大学客員教授。
主な著書:
『地方自治入門』(有斐閣、2011年)
『現場直言! プロ公務員の変革力』(学陽書房、2011年)
『プロ公務員を育てる人事戦略 PART2』(ぎょうせい、2011年)
『プロ公務員を育てる人事戦略』(ぎょうせい、2008年)
『自治体の人事システム改革』(ぎょうせい、2006年)
『公務員給与序説』(有斐閣、2005年)
『人事・給与と地方自治』(東洋経済新報社、2000年)
『日本の官僚人事システム』(東洋経済新報社、1996年)
山田賢一
やまだ・けんいち
福井県観光営業部企画幹。
1983年京都大学法学部卒業。総合政策部政策推進課長、観光営業部ブランド営業課長を経て現職。福井県の主要政策の一つである「ふくいブランド」プロジェクトに2005年から従事。特に、民間企業や大学との共同プロジェクトを推進。現在は、地域ブランド、観光誘客、ふるさと帰住を複合的に展開。新しい官民協働のビジネスモデルを確立し、スケールの大きな成果につながるよう「営業」活動中。