財務省の逆襲

誰のための消費税増税だったのか

高橋 洋一著
2013年10月25日 発売 在庫なし
定価 1,650円(税込)
ISBN:9784492212127 / サイズ:四六/並/264

 2014年4月、消費税が5%から8%に引き上げられます。「日本経済は15年に及ぶデフレからようやく脱出しようとしている『病み上がり』の状態であり、ここで増税するのは、経済に悪影響を与える」という反対の声を押し切っての消費税増税です。財務省はなぜ、これほどまで強固な「増税路線」を進めることができたのか。ほとんどのマスコミも経済学者も増税翼賛路線に乗せられているのはなぜなのか。それは、財務省支配が政界やマスコミは言うに及ばず、学界にまで浸透しているからです。
 しかも財務省は、決して財政再建のために消費税を増税したいわけではありません。財務省にとって関心があるのは、ただ「歳出権の拡大」です。財務省は、財政再建にも、日本経済のデフレ脱却にも関心はなく、ただ自分たちの権益を最大化することだけに邁進している集団だと、高橋氏は断言します。
 なぜそのように言い切ることが可能なのか。財務省はどのようにして、政界もマスコミも学界も、自分たちの意のままに操っているのか。財務省支配のもたらす災禍とは何か、この支配を打破する方策はあるのか。
 ベストセラー『さらば財務省』で知られる異色の元財務官僚、霞が関のすべてを知り尽くした高橋洋一氏が、財務省支配の秘密をわかりやすく解説します。

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概要

財務省支配はなぜかくも強固なのか。そのパワーの源泉は何か。彼らの目指すものは何か。霞が関のすべてを知る男がわかりやすく解説。

目次

第1章 こうして誰もかれも消費税増税に突き進んだ
 01 「消費税増税をしないと日本破綻」は本当か?/成長率が上がればプライマリー収支は改善する
 02 財務省は本当に財政再建しようとしているのか?/関心があるのはただ「歳出権拡大」のみ
 03 消費税増税が経済にもたらす影響は/1997年の景気後退をめぐる詭弁
 04 「増税翼賛会」はこうして出来上がった/飼い慣らされた経済学者とマスコミ
 05 社会保障のための消費税増税という方便/むしろ消費税は地方税化すべきだ

第2章 かくも盤石な財務省支配
 01 霞が関からは一顧だにされぬ歳入庁構想/国税庁を手放したくない理由とは
 02 経済財政諮問会議までもが財務省支配の道具に
 03 政権も牛耳る強大なパワーだが小泉政権・第1次安倍政権では影響力が排除された

第3章 日本の財政、本当に危ないの?
 01 日本はギリシャになってしまうのか!?/デフォルト常習国とくらべても意味はない
 02 毎年40兆円の財政赤字、増税なしには減らせない?/そもそも財政赤字の計算の仕方がおかしい
 03 財政再建は「国際社会からの要請」か?/IMFが日本に増税を要求する理由
 04 国が保有する必要のない財産はいくらでもある/「民でできるものは民で」という原則を貫け

第4章 財務省支配はまだまだ続くか?
 01 天下りは永遠に不滅!?/骨抜きにされた公務員制度改革
 02 竹中平蔵氏が永田町・霞が関で不人気な理由/役人たちと闘える希有な人材だった
 03 霞が関のいたるところに植民地/他省庁にも及ぶ財務省支配
 04 全省庁を敵に回した政策金融改革/「わが財務省との闘争」を振り返る①
 05 「埋蔵金」をめぐる騒動/「わが財務省との闘争」を振り返る②
 06 いよいよ決着か!「上げ潮派」vs.「増税派」/「わが財務省との闘争」を振り返る③

エピローグ 財務省支配は崩せるのか

著者プロフィール

高橋 洋一  【著】
たかはし よういち

1955年生まれ。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。1980年大蔵省(現財務省)入省。理財局国債課課長補佐、資金企画室長、プリンストン大学客員研究員などを経て、小泉内閣の総務大臣(竹中平蔵)補佐官、安倍内閣の内閣参事官などを歴任。現在、嘉悦大学経営経済学部教授、株式会社政策工房代表取締役会長。