今後5年、世界経済の減速は止まらない!
2008年に起きたリーマンショックは、世界のGDP合計額の4倍近い180兆ドルまで膨らんだ金融資産が引き起こした。
リーマンショック以降、いったん縮小に向かったマネー経済が再び膨張を始めている。先進国だけでなく新興国もこぞって金融緩和に踏み切っており、市場にあふれる過剰資金の規模がますます大きくなっている。かつてない規模に膨張したマネー経済は、一体化が進む世界経済のなかで「バタフライ効果」を通して、小さな衝撃が、とてつもなく大きな衝撃へと広がっていき、やがて大破綻を引き起こし、経済を奈落の底に突き落とすことになる。
少なくとも今後5年間は、世界経済は停滞、低成長を余儀なくされ、世界の主要国は「財政再建」という重荷を背負わされることになり、景気浮揚のための財政出動はほとんど期待できない。景気上昇は望めず、世界経済は「停滞の時代」を余儀なくされる。
日本では、円高が最終局面を迎え、国債急落はいつ起こっても不思議ではない。そのような混迷の時代に、経済とマネーはどう動くのか?
ベストセラー『サブプライム後の新資産運用』(フォレスト出版)、『2013年 大暴落後の日本経済』(ダイヤモンド社)などの著者・中原圭介氏が、経済の未来を読み解き、個人の資産防衛術について、これから20年間のお金に困らない生き方と考え方について解説する。
第1章 米国経済はこれから5年が正念場 第2章 欧州経済は「大停滞の時代」に突入する 第3章 なぜわたしたちはお金に縛られるのか? ~資本主義の本質を知る 第4章 お金の奴隷にならず豊かに生きる方法とは? ~資産運用よりも自己投資を 第5章 これから20年、お金に困らない生き方と考え方
中原圭介
なかはら・けいすけ
金融・経営のコンサルティング会社「アセットベストパートナーズ株式会社」のエコノミスト兼アドバイザーとして活動。金融機関や企業への助言・提案や富裕層の資産運用コンサルティングを行う傍ら、執筆・セミナーなどで金融教育・投資家教育の普及に努めている。経済だけでなく、歴史や心理学など、幅広い視点から世界経済の動向を分析し、その経済予測の正確さには定評がある。
主な著書に『サブプライム後の新世界経済』『騙されないための世界経済入門』(以上、フォレスト出版)、『経済予測脳で人生が変わる!』『2013年 大暴落後の日本経済』(以上、ダイヤモンド社)、『お金の神様』(講談社)などがある。