国連の平和維持活動局の事務次長として、数々の紛争への介入に
立ち会ったフランス人著者による回顧録。
・なぜ世界の紛争は終わらないのか?
・紛争地域で政治体制を整えるのはなぜ難しいのか?
・紛争終結に向けた国連や各国の試みはなぜうまく行かないのか?
・大国の横暴がいかに紛争地域にダメージを与えているのか?
・紛争介入の舞台裏で、どのような政治的駆け引きが行われているのか?
・テロリズムの台頭は、PKOにどのような影響を及しているのか?
・国連は、21世紀にもその役割を果たしうるのか?
・国連はこれからどう変わらなくてはいけないのか?
・そもそも、国連のような組織に存在意義はあるのか?
日本人が知ろうとしなかった世界の紛争の舞台裏がみえる本。
第二次世界大戦の反省のもと、国際平和と安全の維持、国際問題の解決を目指したはずの国連は、
各国のエゴイズムの前にただ翻弄される存在となりつつある。
その時々で自国の面子のために動くアメリカ、それに異を唱えるフランス、
アメリカ追随のイギリス、本心を見せないロシアと中国……。
対する、国際社会の思惑に左右される紛争当事国アフガニスタン、イラク、グルジア、
コートジボワール、コンゴ、スーダン、レバノン、コソボ、ハイチ、シリア。
新たな脅威としてのテロリズムの台頭。
国連設立の時代とは大きく変わり、従来の秩序では対処しきれない脅威にも
唯一無二の存在として国連がその使命を果たすためには、どのような道があるのか。
変わろうとする国連の姿は、将来国際公務員を目指す若者に希望を与える。
憲法9条改正の議論、緊迫化する米朝関係、不透明感を増す日本の安全保障の現実を直視するなら、
もう無関心ではいられない。これからの世界のなかでの日本を考えるための必読の書。