調査からわかった21世紀型キャリアの課題と解決策!
21世紀のキャリア環境は、20世紀のそれとは大きく異なる。想定外変化によって予期せぬキャリアチェンジが生じ、一方で専門性の細分化深化という、2つが同時進行するからである。
20世紀のキャリアデザインには有効であったOJTは弱体化し、一方でMBAによる学び直しも掛け声倒れの状況にある。このような新しいキャリア環境においては、企業・社会・教育機関。さらに個人は、自分で自分のキャリアを切り開く「キャリア自律」の考え方をベースにスキルを磨かなければならない。
そこで求められるのは、専門性と普遍性を自分らしく組み合わせてキャリアを切り開いていくことであり、可能性を「絞るキャリア教育」ではなく、「広げるキャリア教育」へと再構築することが求められている。
慶應義塾大学SFCキャリア・リソース・ラボ&リクルート・ワークス研究所の共同研究「21世紀のキャリアを考える研究会」が実施した、6000人規模のアンケート&100人以上の個別インタビューから浮かび上がった、21世紀型キャリアの課題と解決策を示した人事論の集大成。
第1章 21世紀のキャリア環境とは 第2章 21世紀のキャリア 三つのポイント 第3章 キャリア形成の実際と課題 第4章 仕事観形成の歴史 第5章 これからのキャリア教育と採用就職現場 第6章 企業の人材マネジメントはどうなるのか 第7章 社会人教育のこれからのあり方 第8章 働く個人はどうすべきなのか 第9章 人と組織のプロフェッショナルはどんな本を読むべきか
高橋俊介
たかはし・しゅんすけ
1954年東京都生まれ。1978年東京大学工学部航空学科を卒業し日本国有鉄道に入社。 1984年米国プリンストン大学工学部修士課程を終了し、マッキンゼーアンドカンパニ-東京事務所に入社。
1989年に世界有数の人事組織コンサルティング会社である米国のワイアットカンパニーの日本法人ワイアット株式会社(現タワーズワトソン)に入社。1993年に同社代表取締役社長に就任。
1997年7月社長を退任、個人事務所ピープル ファクター コンサルティングを通じて、コンサルティング活動や講演活動、企業の人材育成支援などを行う。
2000年5月慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授に就任。個人事務所による活動に加えて、藤沢キャンパスのキャリアリソースラボラトリーを拠点とした個人主導のキャリア開発や組織の人材育成についての研究に従事。
2011年11月から、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特任教授。
主な著書は以下のとおり。『人材マネジメント革命』プレジデント社、『自由と自己責任のマネジメント』ダイヤモンド社、『知的資本のマネジメント 』ダイヤモンド社、『キャリアショック』東洋経済新報社、『組織改革』東洋経済新報社、『キャリア論』東洋経済新報社、 『組織マネジメントのプロフェッショナル』ダイヤモンド社、『部下を動かす人事戦略』(共著、PHP新書)、『人が育つ会社をつくる』日本経済新聞社、『新版 人材マネジメント論』東洋経済新報社』、『自分らしいキャリアの作り方』PHP新書、『プロフェッショナルの働き方』PHPビジネス新書。