動く現実をとらえる
観察眼を身につける
「最近、自分が何を買ったか?」「近ごろ、気になる街なかの光景は?」「このところ、よく見かけるあの広告の狙いは?」など、身近な演習ケースを通じて、マーケティングの基本を身につけることができ、実践的なプランニングのためのヒントを教えてくれる1冊。
本書が重視するのは、「マーケティング思考」である。買い物、街なかの光景、広告などの現実を観察し、仮説を立て、できるかぎりデータを探し、とるべき手段を考える思考スタイルである。本書はその思考スタイルを体得するための手がかりとなる。
そして、学問としてのマーケティング理論やモデルも紹介しているが、あくまで「いまの世の中」を考えるテキストになっている。そのために、マーケティングの基本のみならず、現在の日本国内市場で起こっているさまざまな現象を整理することもできる。
少子高齢化、不安心理の増加、未婚率の増加、人口構造の変化……など、いまのマーケティングの課題がわかるようになっている。初学者・初心者のみならず、すでにマーケティングを学んでいる人が読んでも、実りが多い。
第1章 マーケティングの思考 第2章 消費行動の理論 ――「演習I 自分の買い物」から選ぶ 第3章 日本の市場環境の変化 第4章 消費環境の変化 ――「演習II タウンウォッチング」から学ぶ 第5章 メディアとコミュニケーションの変化 第6章 マーケティング戦略の分析 ――「演習III コミュニケーション読解」から学ぶ 第7章 社会の構造変化とマーケティング ――「演習IV 仮説構築と課題発見」から学ぶ 終 章 マーケティングの素養とは
山本直人
やまもと なおと
マーケティング/人材育成プランナー。
青山学院大学経営学部マーケティング学科兼任講師(マーケティング・プロフェッショナル実践1)・2))。
1986年 慶応義塾大学法学部卒業。同年博報堂入社。制作局コピーライター、研究開発局主席研究員(兼)ブランドコンサルティングコンサルタントを経て人事局人材開発担当ディレクター。2004年8月独立。
独立後は、マーケティングスキル、営業能力開発、スキル開発、若年層モチベーション向上等を中心とした人材育成コンサルティング/トレーニング、および商品開発、ブランディング、経営理念開発を中心としたコンサルティング/ファシリテーションをおこなう。
著書に『グッドキャリア』『マーケティング企画技術』『コラボレーション・プロフェッショナル』(以上、東洋経済新報社)、『売れないのは誰のせい?』『ネコ型社員の時代』(新潮新書)、『「買う気」の法則』(アスキー新書)など多数。