戦略実行

モーガン,M.著/レビット,R.E.著/マレク,W.著/後藤 治訳/小林 暢子訳
2012年3月2日 発売
定価 3,080円(税込)
ISBN:9784492557051 / サイズ:サイズ:A5判/ページ数:376


企業の90%は絶えず戦略実行に失敗している

まともな戦略を正しく実行することはなぜ難しいか?



米国でのベストセラー『EXECUTING YOUR STRATEGY』の日本語訳である本書は、従来の戦略論、組織論、オペレーション論に横串を刺し、具体的な解決策を体系立てて提示する類稀な研究書であり、戦略実行のための実践的な「ガイドブック」として活用できる。



また各章末の「自己診断シート」で自社の現状がチェックできる

コンサルティング会社を使って作られた眩いばかりの「戦略」の9割は実行されずにお蔵入りとなる。

なぜ、組織に合った戦略を立案し、実行することがそれほど難しいのか?

本書はその本質的な問いに愚直に答えようとする野心的な試みである。



著者らは、企業や組織を、理性と感情の双方を持ち合わせた生き物のように捉えている。そして、生き物の特徴を同定するために、「思い」、「ビジョン」、「風土」、「協働」、「統合」、「移行」の6項目からなる戦略実行フレームワーク、組織アイデンティティの類型、文化のタマゴ(組織文化の類型)、プロジェクト・ポートフォリオなどのフレームワークを援用している。



戦略に込める「思い」、「ビジョン」の組み立てから、組織の「風土」を整合させ、「協働」「統合」「移行」を通じて組織全体へ可視化された結果へ結び付けるまでのフレームワークを、ステップ・バイ・ステップで読者が辿りやすい流れをたどりながら説明している。

採用されている事例も豊富かつ適切で、応用を考えやすい。



本書は純粋な戦略論でもなく組織論でもなく制度論でもない。あえて位置づけるならばそれらの「交差領域」をカバーする戦略実行のための実践的な「ガイドブック」といえる。

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概要

コンサルティング会社が作る「戦略」の9割がお蔵入りとなってしまうのはなぜか。本書は、正しい戦略をつくり、実行し、結果に結びつけるための真に実践的な「ガイドブック」といえる。

目次


序 章 まともな戦略を正しく実行することはなぜ難しいか?

PART1 正しい戦略をつくるために
1 《思い》のフレームワーク
   ――<アイデンティティ>、<目的>、<未来への意思>を明らかにする、
2 《ビジョン》のフレームワーク
   ――<未来への意思>を<戦略>、<到達目標>、<指標>に変換する 
3 《風土》のフレームワーク
   ――<戦略>と<文化>と<構造>を整合させる

PART2 戦略を結果に結びつけるために
4 《協働》のフレームワーク
   ――<プロジェクト>を介して<戦略>を現実のものにする
5 《統合》のフレームワーク
   ――複数のプロジェクトをポートフォリオとして管理する
6 《移行》のフレームワーク
   ――<プロジェクト成果>をメインストリームへ移す

終 章 正しい事柄を正しく行うことによって戦略を実行する

著者プロフィール

マーク・モーガン
Mark Morgan

IPSolutions, Inc. (IPS)のチーフ・ラーニング・オフィサーであると同時に、スタンフォード・センター・フォー・プロフェッショナル・ディベロップメントが提供するスタンフォード・アドバンスト・プロジェクト・マネジメント・カリキュラムのプラクティス・ディレクターを務める。IPSの学習体系を整える立場にあり、戦略実行フレームワークの設計リーダー的な存在といえる。コンサルタント兼キーノートスピーカー兼教育者でもあり、対象とする聴衆は現場プログラムマネジャーレベルから取締役レベルまでグローバルに広がっている。戦略を行動に移すというテーマを裏打ちする彼の経験は、プロジェクト、プログラム、ポートフォリオ管理をしながら組織を率いた25年に及ぶ実務の結晶である。彼は、フォーチュン50に名を連ねる企業のグローバルなチームと共に、戦略を形あるものにする仕事を手がけてきた。工学学士号と経営学修士号を持ち、スタンフォードとPMPの両者からプロジェクトマネジメント領域の資格を取得している。

レイモンド・E・レビット
Raymond E.Levitt

スタンフォード大学の都市環境工学を専門とする教授であり、同大学の建築工学・管理プログラムのコーディネータを務める。スタンフォード大学に移る前はMITの教授としてMITの建築工学・プロジェクト管理プログラム発足を手がけた。彼の教育、研究およびコンサルティングの仕事はITやヘルスケア業界におけるサービス・メンテナンス業務や、複雑で緊急性の高いプロジェクトを実行するために望ましい組織の設計に焦点を当てる。彼のバーチャル・デザイン・チーム(VDT)研究グループは、新しい組織設計理論を展開し、マネジャーがプロジェクトとマトリクス組織を最適化するためのシミュレーションツールを提供している。2003年にはスタンフォードのコラボラトリー・フォー・リサーチ・オン・グローバル・プロジェクトを創設した。Construction Safety Management(第二版)やKnowledge-Based Systems in Engineeringに代表される複数の著作物を出版している。Design Power, Inc., Vite CorporationおよびVisual Network Design, Inc.の共同創始者であり、ディレクターとしての実務経験を持つ。

ウィリアム・マレク
William Malek

  Strategy2Reality LLCの戦略実行担当役員であり、スタンフォード大学におけるアドバンスト・プロジェクト・マネジメントコースの前プログラムディレクターを務めた。戦略立案、経営コンサルティングと組織整合の分野での実務経験は28年におよび、戦略実行の研究と前向きな組織の指揮が彼の専門領域である。彼は、戦略を現実にするために必要なリーダーシップを生み出すグループ設計の手法に照準を合わせる。彼は、IPSolutions, Inc.のCEOであると同時に、クアルコム、シスコやマッケソンといったフォーチュン500企業のシニア経営陣のアドバイザーを務める。カペラ大学よりeコマース専攻経営学修士号とカリフォルニア大学サンタバーバラ校の機械工学専攻学士号を持つ。彼の取得した認定資格は数多いが、Stanford Certified Project Manager (SCPM), Project Management Professional (PMP)およびNew Product Development Professional (NPDP)が含まれる。

後藤 治   [訳者]
ごとう・おさむ

A.T.カーニー パートナー
早稲田大学政治経済学部卒業。ハーバード大学経営大学院修了(MBA)。三菱自動車でマレーシア国民車プロジェクト(プロトン)に従事。現在、経営コンサルタントとして、クライアント企業の経営戦略、組織設計と運用、変革プログラムの構想から実行まで幅広く支援している。

小林陽子   [訳者]
こばやし・ようこ

A.T.カーニー パートナー
東京大学理学部卒業。東京大学大学院修士課程修了。ハーバード大学経営大学院修了(MBA)。米国三菱商事(ニューヨーク)、外資系投資ファンドでの勤務経験を持つ。現在は、クライアント企業の全社戦略立案、新規事業開発などのコンサルティングに取り組んでいる。