本書は、10年以上にわたって決済担当者の必読書として広く読まれている
『決済システムのすべて』の全面改訂版です。
第2版の刊行からの8年間に、
決済システムをめぐる状況は大きな変化を遂げています。
米国では、FedwireやCHIPSに新しい機能が追加され、
手形交換の電子化も進んでいます。
欧州では、分散型のTARGETから次世代のTARGET2に移行したほか、
ユーロの単一決済圏を作ろうとするSEPAプロジェクトも進められています。
外為決済の分野では、CLS銀行が存在感を高めてきており、
リーマン・ショック時には、金融危機の拡大を防止する役割を果たしました。
決済システム高度化の動きは、海外ばかりではなく、わが国にも及んでいます。
日銀ネットが次世代RTGS化を達成して、大口決済を集約化しました。
全銀システムも、国際標準化を進め、新たな機能を盛り込んでいます。
改訂にあたっては、こうしたさまざまな動きを盛り込んで、
最先端の動きをカバーしています。
また、初心者のために基礎理論や基本的な知識を幅広く整理するという
従来からの方針も堅持しています。