福島原発に関する、最大のリスクは
政界、財界、官界の「根拠の無い楽観的空気」である
2011年3月のフクシマ原発事故以来、10月まで、菅元首相の原発顧問として福島原発事故対策に取り組み、総理に「脱原発依存」の政策を進言した元内閣官房参与の田坂氏が、原発問題の今後についてズバリ答える入門書。
「福島原発の事故では何が起こっていたのか? これからどうなるのか?」から、「原発の安全性と再稼働問題」「高レベル放射性廃棄物の問題」「脱原発依存政策」から「原子力の未来」まで中学生にも分かるレベルでやさしく解説。
第一部 福島原発事故について 第二部 原発の安全性について 第三部 高レベル放射性廃棄物について 第四部 脱原発依存の政策について 第五部 原子力の未来について 原発の未来をめぐる一問一答
田坂広志
たさか・ひろし
1951年生まれ。1974年、東京大学工学部卒業。1981年、東京大学大学院修了。工学博士(原子力工学)。同年、民間企業入社。原子力事業部で放射性廃棄物関連プロジェクトに従事。1987年、米国のシンクタンク、バテル記念研究所客員研究員。同時に、米国のパシフィック・ノースウェスト国立研究所客員研究員。1990年、日本総合研究所の設立に参画。取締役等を歴任。現在、同所フェロー。
2000年、多摩大学大学院教授に就任。社会起業家論と社会的企業論を開講。同年、21世紀の社会システムのパラダイム転換をめざす、グローバル・ネットワーク・シンクタンク、ソフィアバンクを設立。代表に就任。2003年、社会起業家フォーラムを設立。代表に就任。2005年、米国のジャパンソサエティより、日米イノベーターズに選ばれる。2008年、ダボス会議を主催する世界経済フォーラムのグローバル・アジェンダ・カウンシルのメンバーに就任。
2010年、4人のノーベル賞受賞者が名誉会員を務める世界賢人会議ブダペスト・クラブの日本代表に就任。2011年3月から9月、東日本大震災の発生に伴い、内閣官房参与に就任。総理大臣の特別顧問として、原発事故への対策、原子力行政の改革、原子力政策の転換に取り組む。著書は60冊余。現在、海外でも旺盛な出版と講演の活動を行っている。