ケインズの名を一躍世界的に有名にした名著
本書は、第一次大戦後のパリ平和会議における対独賠償問題の取扱いを痛烈に弾劾、世論の転換に大きな役割を果たした名著。ケインズはイギリス大蔵省代表の地位を辞して僅か6ヵ月後に本書を公刊したが、論駁の書として本書の完成度の高さは驚嘆に値する。辛辣で洞察に富む人物描写、また事態の把握力とその表現力は、今日的迫真性を具えており、また「一般理論」に結実するケインズの経済問題に対するビジョンも、すでにはっきりと現れている。
第一章 序論 第二章 戦前のヨーロッパ 第三章 金融 第四章 条約 第五章 賠償 第六章 条約後のヨーロッパ 第七章 救済策