病院が壊れる

週刊東洋経済eビジネス新書No.340

週刊東洋経済編集部編
2020年8月17日 発売
定価 440円(税込)
ISBN:9784492921418 / サイズ:e新書/並/120

新型コロナウイルスの感染拡大で「医療崩壊」が危惧された2020年春。だが、その半年前の2019年9月、厚労省は「再編統合についてとくに必要」として自治体病院や日赤病院など424の病院名を公表した。これは、公立・公的病院の29%に当たる。再編・統合や縮小など方針を決めるよう自治体に要請するものだ。背景には、患者の減少や深刻な赤字体質がある。日本は世界の先進国と比較しても人口比の病床数は多く、医療スタッフが少ない現状が見てとれる。だが、公的地域病院の統合・再編議論は事業体だけの論理ではなく、地域住民・患者、民間病院、医師会などを含む広い視点が必要だ。激変する医療現場の最前線から、ニッポンの病院の正念場を追った。

本誌は『週刊東洋経済』2020年1月11日号掲載の30ページ分を電子化したものです。

商品を購入する

概要

わが町の病院がなくなる? 厚生労働省が再編・統合の必要な公立・公的病院424拠点を実名で公表し波紋が広がった。慢性的な収益赤字や深刻な医師不足、高齢化する患者など、激変する医療現場の最前線を追った。

目次

残る病院・消える病院
「救急お断り」 市民病院の経営が危ない
今変わらなければ“突然死”も? ニッポンの病院の正念場
INTERVIEW 厚生労働相・加藤勝信
 医療提供体制の見直しは必須だ
無給医問題があらわにした医師たちの“超”長時間労働
毎年約400億円の赤字 東京都立8病院の経営難
高度医療の中核病院建設に「待った」
INTERVIEW 病院の未来① 慶応大学 教授・印南一路
 点ではなく面で支える医療が必要だ
【現地ルポ】日本赤十字病院の危機
INTERVIEW 病院の未来② 日本病院会 会長・相澤孝夫
 うそを重ねては再編が進まない
医療法人倒産はなぜ起きるのか
INTERVIEW 病院の未来③ 日本医療法人協会 会長・加納繁照
 地域密着では民間病院の出番
盛り上がる病院のM&A
INTERVIEW カマチグループ 会長・蒲池眞澄
 買収した東芝病院は3年で再建できる
病院M&Aに群がる怪しい人々
債務超過の三井記念病院 外来患者が増える順天堂

著者プロフィール

週刊東洋経済編集部  【編】
しゅうかんとうようけいざいへんしゅうぶ