「今こそ知りたい 金・暗号資産 特集」を担当した大野和幸です。
6月26日現在、金は1トロイオンス3300ドル台、ビットコインは1BTC10万7000ドル台で、どちらも史上最高値圏に接近しています。イスラエル・イラン紛争が始まったとみるや、一転して停戦合意に達するなど、国際情勢も流動化しています。
ただ、実際に買ったことのある人は、まだどちらも少ないのではないでしょうか。
例えば、金(ゴールド)をきちんとした店で購入する場合、実は身分証明書が必要です。金地金(きんじがね、「インゴット」ともいう)には金塊ナンバーが刻印されているので、偽造や複製もされにくくなっています。
その意味では、いわゆる「転売ヤー」も扱いにくいはず。ただ、かつては消費税の税率改定時、例えば19年10月1日の前後をはさみ、税率8%のときに買って10%のときに売ることで、利ザヤを稼いでいた人たちが少なからずいたそうです。今でも、転売目的ではありませんが、東京・銀座などでは平日午前中のオープン前から、貴金属店の店頭には購入を求めるお客さんが行列を作っているほどです。
また、最近では金に絡む“特殊詐欺”も増えており、警察庁が注意喚起をしています。被害者は警察官を名乗る犯人から、「(足がつく)ATMは使わず、現金を金地金や金貨、金のアクセサリーなどに替えて持ってきてほしい」などと、指示されることが多いためです。かさばらずに価値の高い金は持ち運びにも最適なのでしょう。
一方、ビットコインについては、ビットコインそのものより、ビットコインを保有している日本のメタプラネット株、米ストラテジー株などが投資家にとって、目下注目の的になっています。特にメタプラネットの場合、本業がもはやビットコイン投資になっており、わざわざ資金調達してビットコインを購入しているほどです。
スマホで買えるビットコインには及び腰の中高年層の投資家も、株ならとっつきやすいのでしょうか。メタプラネットは少なくとも今現在、日本の株式相場では最も注目されている銘柄の1つ。日本では、暗号資産のETF(上場投資信託)化も水面下では進行しており、いずれ投信の形でも買えるようになるでしょう。
本特集では、金が今高騰している理由、トランプ政権と暗号資産の関わり合い、メタプラネット株に続く銘柄、業界の重要人物へのインタビューなどについて、広範かつ網羅的に取り上げております。ぜひ手に取ってご覧ください。
担当記者:大野 和幸(おおの かずゆき)
ITや金融、自動車、エネルギーなどの業界を担当し、関連記事を執筆。相続や年金、介護など高齢化社会に関するテーマでも、広く編集を手掛ける。
『週刊東洋経済』は、変化する世の中を確かな視点で解明する総合ビジネス週刊誌です。
創刊は1895年(明治28年)、日本国内で最も歴史のある週刊雑誌でもあります。企業戦略から主要業界事情、国内外の政治経済はもちろん、近年はビジネス実用、テクノロジー、社会問題まで、経済の複雑化やビジネスパーソンの関心の広がりに対応し、幅広いテーマを取り上げています。
一方で創刊以来、一貫しているのはセンセーショナリズム(扇情主義)を排除し、ファクトにこだわる編集方針を堅持することです。「意思決定のための必読誌」を掲げ、今読むべき特集やレポートを満載し、価値ある情報を毎週発信しています。
視野が広がる幅広いテーマ
「健全なる経済社会を先導する」という創刊理念のもと、企業戦略やマクロ経済だけでなく、社会問題や海外情勢など幅広いテーマで特集を組み、中立的な立場で情報発信をしています。
図解や表でわかりやすく
ビジネス誌の中で随一の規模を誇る約100人の記者集団が、「経済から社会を読み解く」スタンスで徹底取材。旬な情報を図解や表にまとめて、わかりやすく解説します。
『会社四季報』の独自データで深掘り
約3,900社の上場企業すべてに担当記者を配置。財務情報から海外進出情報など『会社四季報』ならではのデータベースから独自の切り口で深掘りし、分析した連載や特集を『週刊東洋経済』で展開しています。