シン読解力

学力と人生を決めるもうひとつの読み方

新井 紀子著
2025年2月11日 発売
定価 1,980円(税込)
ISBN:9784492762677 / サイズ:四六/並/296

東ロボくんの開発責任者で、読解力を調査・研究し、受検者数50万人のRSTを開発・普及させてきた『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』の著者による待望の続編!

ここで言う「読解力」とは、国語や読書の際に用いられる一般的にイメージされる読解力ではなく、「教科書を正確に読み解く力」を指す。そこで著者はこれを「シン読解力」と名づけた。
シン読解力を測るリーディングスキルテスト(RST)の受検者は50万人を超え、そのデータから様々な事実がわかってきた。

・誰もが読めるはずの教科書が読めていない子どもたちがいかに多いか。
・子どもだけでなく、実は大人も教科書や新聞が読めていない。
・シン読解力と学力には強い相関がある。
・シン読解力が低いとビジネスにも支障をきたす。
・シン読解力は学校では教えてくれない。
・シン読解力は国語や読書では身につかない。
・シン読解力はスキルであり、トレーニングによって年齢を問わず身につけることができる。

RST受検者50万人のデータを元に、
シン読解力とはなにか、教科書が読めないのはなぜかを明らかにし、
RSTの成績向上に成功した事例を紹介しながら、シン読解力習得の処方箋を示す。

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概要

シリーズ50万部『AI vs.教科書が読めない子どもたち』待望の続編! 50万人のデータから発見された「シン読解力」の衝撃!

目次

まえがき

第1章 チャットGPTの衝撃
  チャットGPTは東大に入れるか?
  「新三種の神器」を研究者はもう手放せない
  チャットGPTは平気でウソをつく
  AIはなぜ「完璧」になれないか?
  AIに潜む「外れ値の罠」
  「外れ値」とは何か?
  AIの上手な使い方
  チャットGPTは何をどう学習しているのか?
  チャットGPTが「そこそこ」本当のことを言える理由
  やっぱりシンギュラリティは来ない!
  AIを使いこなせる人材になる

第2章 「シン読解力」の発見
  「読める」は才能でなくスキルである
  リーディングスキルテストとは何か?
  「シン読解力」が学力を左右する

第3章 学校教育で「シン読解力」は伸びるのか?
  「シン読解力」で進学できる高校が決まる
  能力値1.5の壁
  大人になっても残る「シン読解力」の影響
  倍率が高校のRST平均値を左右する
  平均能力値1.5を超える子って、どんな子?
  「もっと、ちゃんと、しっかり読みなさい」
  
第4章 「学習言語」を解剖する
  摩訶不思議な「数学語」の世界
  「社会科語」はちょっとずるい
  物理と生物は言いたいことが違う
  学習言語の「マルチリンガル」になる
  
第5章 「シン読解力」の土台を作る
  バックキャスティングで教育すべき内容を決める
  土台となる語彙と経験
  「2Bの鉛筆」が教えてくれたこと
  脳のワーキングメモリには限界がある
  認知負荷を科学的な「地道トレーニング」で下げる
  国語と英語の教育方法に学ぶ/資料を読み解く

第6章 「シン読解力」トレーニング法
  RSノート初級編の意図
  相馬市のキセキ
  トレーニングで個性も伸びる

第8章 新聞が読めない大人たち
  驚くほど大人が読めなかった新聞記事
  「今どきの若い社員は読解力が低い」という嘆きの原因
  RSTを使った採用戦略
  
あとがき

トレーニング&コラム
  大人のためのトレーニング
   初級編①/初級編②/中級編①/中級編②/上級編
  子どものためのトレーニング
   紙上講座①/紙上講座②
  コラム

著者プロフィール

新井 紀子  【著】
あらい のりこ

国立情報学研究所 社会共有知研究センター長・教授。
一般社団法人 教育のための科学研究所 代表理事・所長。
東京都出身。一橋大学法学部およびイリノイ大学数学科卒業、イリノイ大学5年一貫制大学院を経て、東京工業大学より博士(理学)を取得。専門は数理論理学。
2011年より人工知能プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトディレクターを務める。2016年より読解力を診断する「リーディングスキルテスト」の研究開発を主導。
科学技術分野の文部科学大臣表彰、日本エッセイストクラブ賞、石橋湛山賞、山本七平賞、大川出版賞、エイボン女性教育賞、ビジネス書大賞などを受賞。
主著に『数学は言葉』(東京図書)、『コンピュータが仕事を奪う』(日本経済新聞出版社)、『ロボットは東大に入れるか』(新曜社)、『AI vs.教科書が読めない子どもたち』(東洋経済新報社)、『AIに負けない子どもを育てる」(東洋経済新報社)などがある。