週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌

担当記者より
2020年2月29日号
2020年2月25日 発売
定価 730円(税込)
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【第1特集】外食 頂上決戦

外食業界は「勝ち組」「負け組」が激しく移り変わっています。つい最近まで絶好調だった「鳥貴族」「いきなり!ステーキ」「日高屋」などが急失速する一方、「スシロー」「スターバックスコーヒー」のように好調が続いているチェーンもあります。「マクドナルド」「ケンタッキーフライドチキン」「丸亀製麺」のように一時期の低調から巻き返しに打って出ているチェーンも目立ちます。本特集では、令和の時代における新しいスター企業を抽出しました。
 

【スペシャルリポート】北朝鮮が「新戦略兵器」? 強硬姿勢アピールの舞台裏


昨年末「新たな戦略兵器」との発言が報じられた金正恩委員長。強硬路線を取るとみられたものの、報告内容をよく読むと「自力更生」と経済の重視に力点があります。北朝鮮、米国、韓国、日本それぞれの立ち位置を考察します。

担当記者より

今回、取材したエース証券の澤田遼太郎アナリストから、貴重な話をたくさん聞きました。記事に盛りこめなかったものとしては、次のコメントがありました。「最近の外食チェーンは見た目、つまり『インスタ映え』するものが重要になっている。かつてはおいしいモノをつくっていれば良かったが、いまはパッと見ておいしいモノかどうかが伝わるものでなければならない」

特集で取り上げましたが、復調している吉野家は「ポスターで映えるかどうか」を最初に想定して、商品戦略を練るそうです。そういえば、私が定点観測している鳥貴族も、1~2月限定商品で出している「だし巻き玉子」は、メニューの写真からして、実においしそう。この商品は、売り切れになることが少なくありません。

鳥貴族といえば、2017年10月に商品価格をわずか18円値上げしたところ、それがあだとなり売り上げが失速。低迷状態がしばらく続いていました。ただ、昨年11月頃から、千葉・船橋の店は満席状態であることがしばしば。東京・神田の店も、満席状態であることがほとんどです。食材が国産であることを強調したり、あまりお客さんの入らない店舗を閉鎖したり、そういった堅実な施策の効果が出てきたのかもしれません。実際、鳥貴族の既存店売上高は昨年11月に上向き、その後3ヶ月連続で前年超えをしています。来年の今ごろは、「勝ち組」として返り咲いているかもしれません。

さて、今回の特集は外食産業の関係者だけでなく、個人投資家のみなさまにも必見の内容となっています。「勝ち組・負け組マトリックス」「外食総まくりランキング」「外食チェーンFL比率」「立ち食いそば3大チェーンの都内分布図」など、図表やランキングが盛りだくさん。

この中で、「勝ち組・負け組マトリックス」は、現在の新しい勝ち組と負け組が一目瞭然でわかる自信作です。データの整備にかなりの時間と労力を費やしました。東洋経済編集部の消費・生活チームを中心に、5人の記者が総がかりで、各外食チェーンの月次売上高や店舗増減をチェック。見せ方やデザインにこだわって何度も作り変えた結果、キーチェーンのひとつマクドナルドが、マトリックスから抜け落ちていることがゲラの段階でわかりました。大慌てで、冷や汗をかきながら、修正したことは言うまでもありません。

もちろん、『会社四季報』のデータに基づいた「外食総まくりランキング」も、個人投資家のみなさまには有益な情報になるはずです。意外な企業がランキングの上位に来ているかもしれません。カリスマ個人投資家の内田衛氏による「外食お得銘柄“勝手”ランキング」には、かつてブラックと騒がれたあの外食企業もランクイン・・・。おっと、これ以上はいけません。東洋経済の知恵を結集した「外食 頂上決戦」特集、ぜひお手にとってご覧ください。

担当記者:梅咲 恵司(うめさき けいじ)
東洋経済記者。百貨店、スーパーなどの業界を担当。過去に自動車、精密機械、不動産業界などを担当。『週刊東洋経済』臨時増刊号「名古屋臨増2017年版」編集長。

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約3,900社の上場企業すべてに担当記者を配置。財務情報から海外進出情報など『会社四季報』ならではのデータベースから独自の切り口で深掘りし、分析した連載や特集を『週刊東洋経済』で展開しています。

目次

第1特集
勝ち組・負け組を徹底解明! 外食 頂上決戦

[ 図解 ]外食産業を読み解く6つのデータ

Part1 新しい勝ち組 
明と暗がくっきり、独自指標!マトリックス 外食チェーン大乱戦
「主婦の声に業績回復の大きなヒントがあった」日本マクドナルドホールディングス社長兼CEO サラ・L・カサノバ
脱「勘頼み」の経営 V字回復の仕掛け人
[ 対談 ]「スターバックスはチェーンではない」
スターバックス コーヒー ジャパンCEO 水口貴文 × 小西美術工藝社社長 デービッド・アトキンソン
スターバックスの「地域密着」戦略
富士そば vs. 小諸そば vs. ゆで太郎 そばチェーン三国志
便利なサイトも登場し副業も可能に 「間借り」カレー急増の背景

Part2 買える銘柄
総まくりランキング 外食お宝銘柄 厳選130
今期増収率ベスト30/今期増益率ベスト30/高ROEベスト30/高配当ベスト40
四季報記者が独自算出 一挙公開「FL比率」
カリスマ個人投資家が伝授 配当+優待4%銘柄を狙え
仕事でバリバリ使える意外な外食チェーン

Part3 負け組の逆襲
いきなり! ステーキ、鳥貴族 急落チェーンの行方
「いきなり!ステーキ」次の一手 ペッパーフードサービス社長CEO 一瀬邦夫
ミライザカ、鳥メロ… ワタミ"看板隠し"の効果
店舗数拡大による失敗の教訓 1業態「9店」の勧め
「どこに向かうのか 社員は迷っていた」ワタミ会長兼グループCEO 渡邉美樹
跳躍するウーバー vs. 迎え撃つ出前館 フードデリバリー覇権争い
ぐるなび、食べログの悩み グルメサイトは曲がり角に
すかいらーく、ロイヤルホストの狙い 人手不足という重い課題
「人手不足はこれからもっと深刻化する」ロイヤルホールディングス会長 菊地唯夫

スペシャルリポート
北朝鮮が「 新戦略兵器」? 強硬姿勢アピールの舞台裏
テレビや電話の保有率は高水準 北朝鮮は「最貧国ではない」

ニュース最前線
新型肺炎で中国大停滞 アップル供給網に打撃
投資継続か? 事業回帰か? 岐路に立たされる孫社長
日本製鉄が巨額赤字に転落 鉄鋼不況でリストラ加速
小中学生全員にパソコン 1000万台市場で争奪戦


連載
経済を見る眼|デジタル化で変わる価格の意味|早川英男
ニュースの核心|ソニーのEVに見る自動車産業の変化|山田雄大
『会社四季報』ルーキー登場|セルソース
トップに直撃|日本郵政社長 増田寬也
フォーカス政治|安倍首相の五輪後の去就 カギ握る「母・洋子さん」|歳川隆雄
グローバル・アイ|パナの革新は傍流社員か社外からウイルスとの戦争を甘くみるな
INSIDE USA|弾劾無罪で強まる独善色 トランプ再選は近づいた?|渡部恒雄
中国動態|新型肺炎対策で金融を大緩和 モラルハザード蔓延の懸念も|梶谷 懐
マネー潮流|浮上するブルームバーグ・リスク|高井裕之
少数異見|一人ひとりの行動で、よいバタフライ効果を
知の技法 出世の作法|ロシアと北朝鮮から見た新型コロナウイルス|佐藤 優
経済学者が読み解く現代社会のリアル|経済全体に影響を与えるスーパースター企業の台頭|奥村公貴
人が集まる街 逃げる街|キタ(大阪府大阪市) 再開発で緑と潤いのある街へ|牧野知弘
クラシック音楽最新事情|鮮烈な優勝から30年 音楽祭に込める思い|田中 泰
話題の本|『黒川能』著者 船曳由美氏に聞く ほか
「英語雑談力」入門|be left stranded(足止めされる、身動きが取れない)|柴田真一
ゴルフざんまい|試合を左右するのはその土地の芝|青木 功
経済クロスワード|外食
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今後の発売スケジュール

  • 11/10(月) 週刊東洋経済 2025年11月15日号

訂正情報

「週刊東洋経済2020年2月29日号」(2月25日発売)に、以下の間違いがありました。訂正してお詫び致します。
 
27ページ ■投資継続か? 事業回帰か? 岐路に立たされる孫社長

【誤】SBGがアクティビストの標的になるのは今回が初めてのこと
 ↓ 
【正】SBGがアクティビストの標的になるのは今回が初めてではない