週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌

担当記者より
2022年1月15日号
2022年1月11日 発売
定価 730円(税込)
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【特集】ライフシフト超入門


100年を生きることが珍しくなくなった時代、人生設計は「教育」「仕事」「引退」の3段階では語れなくなりました。マルチステージ化を前提とする人生戦略を説いた世界的ベストセラー『ライフシフト』に続編が登場。2冊合計700ページを超える内容を濃縮しました。

仕事や教育、子育て、新たなキャリアへの移行など、「人生100年時代」に必要な知識とマインドセットを豊富な事例とともに解説。ライフシフトを成功させるための最高の手引です。

担当記者より

特集「ライフシフト超入門」を担当した長谷川隆です。作家の童門冬二さんは現在94歳。インタビューでは、今でも「月に原稿用紙100枚ほどの原稿を書く」「2日に1回は肉を食べる」など、その矍鑠(かくしゃく)ぶりにあらためて驚嘆しました。

そんな童門さんは、51歳までは都庁で要職を務める公務員でした。『小説 上杉鷹山』がベストセラーとなり、作家として名が売れたのは56歳のとき。そして現在もなお「人生はまだ未完成、まだまだ学ぶことがある」と、まさに「ライフシフト」を実践されているお一人です。

人生100年時代。これからは「教育」「仕事」「引退」という3つのステージが時に入れ替わり、仕事を途中で変えるなどキャリアチェンジも一般的になっていきます。新たな道を探ろうとするとき、童門さんの持論は「鉱脈は自分の過去の中に見いだすべき」というもの。まったく新しい未知の世界に踏み出すよりも、これまでの生活や仕事の中で経験したことや考えてきたことの中に、未来への活路を切り開くヒントがあるというのです。

一方、まったく新しい世界に飛び出して、そこに身を置くことでライフシフトを図るという考え方もあるでしょう。40代後半でリクルートを退職し、公立中学校の校長に就任した藤原和博さんはそんなライフシフトの実践者です。

どちらのやり方がいいのかは、置かれた環境や自身の性格などから決めればいいのかもしれません。特集では、さまざまなライフシフトのチャレンジ経験を取材しました。その中で一つでも、みなさんのヒントになるものが見つかれば幸いです。

担当記者:長谷川 隆(はせがわ たかし)
東洋経済記者。

>>週刊東洋経済編集部の制作にかける思い

週刊東洋経済とは

週刊東洋経済

『週刊東洋経済』は、変化する世の中を確かな視点で解明する総合ビジネス週刊誌です。

創刊は1895年(明治28年)、日本国内で最も歴史のある週刊雑誌でもあります。企業戦略から主要業界事情、国内外の政治経済はもちろん、近年はビジネス実用、テクノロジー、社会問題まで、経済の複雑化やビジネスパーソンの関心の広がりに対応し、幅広いテーマを取り上げています。

一方で創刊以来、一貫しているのはセンセーショナリズム(扇情主義)を排除し、ファクトにこだわる編集方針を堅持することです。「意思決定のための必読誌」を掲げ、今読むべき特集やレポートを満載し、価値ある情報を毎週発信しています。

週刊東洋経済の編集方針

  1. 取材力
    当社に所属する約100人の経済専門記者が主要業界、全上場企業をカバー。国内外の経済や業界、企業などを深堀りし、他には読めない記事を提供。
  2. 分析力
    複雑な情報やビジネス慣習、制度変化などを分析し、的確に整理。表層的事象をなぞるのではなく、経済や社会の底流で起きている構造を読み解く
  3. 中立性
    企業や業界側の立場や事情に追従することなく、本誌記者は取材対象を客観的立場で分析・評価し、ときには忖度なく切り込む。

3つのポイント

視野が広がる幅広いテーマ
「健全なる経済社会を先導する」という創刊理念のもと、企業戦略やマクロ経済だけでなく、社会問題や海外情勢など幅広いテーマで特集を組み、中立的な立場で情報発信をしています。

図解や表でわかりやすく
ビジネス誌の中で随一の規模を誇る約100人の記者集団が、「経済から社会を読み解く」スタンスで徹底取材。旬な情報を図解や表にまとめて、わかりやすく解説します。

『会社四季報』の独自データで深掘り
約3,900社の上場企業すべてに担当記者を配置。財務情報から海外進出情報など『会社四季報』ならではのデータベースから独自の切り口で深掘りし、分析した連載や特集を『週刊東洋経済』で展開しています。

目次

特集
ライフシフト超入門
100年時代の人生&行動戦略

Part1  ライフシフトを理解する
マンガで簡単解説
[著者INTERVIEW] 英ロンドン・ビジネススクール経営学教授  リンダ・ グラットン
「100年時代に必須の行動戦略 長寿時代は変化で乗り越えろ」
図解でわかる『ライフシフト』
[著者INTERVIEW] 英ロンドン・ビジネススクール経済学教授  アンドリュー・ スコット
「労働力減少で低成長は避けられず 長寿時代の新しい経済モデルを探れ」
キャリアの専門家が語る『ライフシフト』をこう生かせ
ウォンテッドリー社長  仲 暁子/立教大学教授 中原 淳

Part2  ライフシフトを実践する
[INTERVIEW]私のキャリアチェンジ
「新しいステージへ行くとき、誰にもどん底がある」 アナウンサーから弁護士へ 菊間千乃
「人生は起承転々。 鉱脈は既知の分野にこそある」 都庁幹部から作家へ 童門冬二
自らの人生は自分で決める 「変わり続ける」実践者たち
読者アンケート 「私のライフシフト」

人生100年時代のキャリア形成 富士山型より八ヶ岳型  藤原和博
超長寿社会の社会保障 100年時代の制度設計を  櫨 浩一
ライフシフトを可能にするマネー計画 今年こそ「マネーシフト」を  山崎俊輔
ライフシフトを妨げるものとは? 「人生のリスク」対処法
無形資産の棚卸し&100年人生の目標設定 プランニングシートを作ってみよう

スペシャルリポート
3000億円電撃買収で号砲 後払い決済「BNPL」の大混戦
「ペイパルの潤沢な資金でより急速に成長できる」 Paidy 社長兼CEO 杉江 陸
「分割払いは慎重に検討中 若者の債務リスクを考慮」 ネットプロテクションズ 社長 柴田 紳

深層リポート
「日本流」ジョブ型雇用 何が問題か
ジョブ型雇用 私はこう考える
「終身雇用のほうが 会社は強くなる」 東レ 社長 日覺昭廣
「“日本型”は機能せず 高等教育の大変革を」 経営共創基盤 会長 冨山和彦

ニュース最前線
不正がやまない三菱電機 企業風土の根深い弊害
金融課税で1億円の壁越え 岸田首相が見送った理由
専属ユーチューバーを半減 UUUMの大胆な方針転換


連載 
|経済を見る眼|コロナ後が心配、日本的対応力の光と影小峰隆夫
|ニュースの核心|「改革」なき「新しい資本主義」|大崎明子
|発見!成長企業|Photosynth
|会社四季報 注目決算|今号の4社
|トップに直撃|ジェイ エフ イー ホールディングス 社長  柿木厚司
|フォーカス政治|衆院新選挙区で募る安倍氏の危機感|歳川隆雄
|中国動態|メタバースへの熱狂と当局の静観|伊藤亜聖
|財新 Opinion&News|中国で深刻な「住宅格差」の解消には何が必要か
|グローバル・アイ|デジタルネイティブのZ世代に文系スキルが必要な理由ニコラス・エイガー
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|FROM The New York Times|インフレなのに金利引き下げ 「肉も買えない」トルコの窮状
|マネー潮流|気候変動対応と市場メカニズム|森田長太郎
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