2022年4月16日号
2022年4月11日 発売
定価 730円(税込)
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【特集】テクノロジーの未来地図
テックの巨人「GAFAM(グーグル・アップル・フェイスブック〈現メタ〉・アマゾン・マイクロソフト)」は、米国株式市場を一手に牽引するほど肥大化を続けています。そんな彼らがなぜ今メタバースに傾注しているのかを徹底解明しました。
本特集では、GAFAM流の中央集権とは異なる道である「ウェブ3.0」の最前線や、マーケティングの常識を変えるNFTにも迫っています。
担当記者より
特集「テクノロジーの未来地図」を担当した二階堂遼馬です。「テクノロジーの用語解説がいいのではないか」「Web3.0を取り上げるのはまだ早いのでは?」――。本特集を制作するうえで編集長や記者とは様々な議論を交わしました。書店に行けばテクノロジー本は溢れています。海外識者による10年後の未来予測に関する翻訳本から、大手新聞社グループによる「100の技術」といった本まで。何とか独自の切り口を見出そうとしてのが、今回の「テクノロジーの未来地図」です。
頭に持ってきたのは、「GAFAMの新競争戦略」というパートです。今年1月に発表されたマイクロソフトによるゲーム大手、アクティビジョン・ブリザードに対する8兆円規模の買収が記憶に新しい人も多いでしょう。GAFAMと呼ばれるテック巨人たちが積極的に仕掛ける買収の中でも突出した額で、マイクロソフトはこれを足がかりにメタバース(仮想空間)への本格進出を果たそうとしています。メタバースについては昨年10月、当時のフェイスブックがメタに社名変更し、毎年この分野へ1兆円以上の投資を行うということも宣言しています。
世界の時価総額を牛耳るGAFAMは投資の額もケタ違いであり、彼らの戦略の中にテクノロジーの進化が隠されています。GAFAMをめぐる時事性の中から普遍的になりそうなトレンド、例えばメタバースや広告のクッキー規制、ヘルスケア、埋め込み型金融(Embedded Finance)などを浮かび上がらせようとしたのが本特集における主眼の一つです。
もう一つはWeb3.0です。GAFAMに置き換わる新しいネット時代のトレンドとも呼ばれ、ブロックチェーンに基づく分散型経済のあり方を意味しています。想像しづらいかもしれませんが、端的に言うと個人が直接つながることで「GAFAMの要らない世界」を目指しています。「当初は特集のパートとして割くほどなのか?」という声もありましたが、三菱UFJ銀行がWeb3.0の重要性に触れるプレスリリースを出すなど、取材をしながら風向きの変化を感じました。
Web3.0については、経済誌としてもっとも深掘りした情報を出せたと自負しています。日本企業の皆様における経営のヒントになれば幸いです。
担当記者:二階堂 遼馬(にかいどう りょうま)
『週刊東洋経済』編集部記者。化学、外食、ネット業界担当記者を経て現職。直近で担当した特集は「2017年大予測 破壊され生まれ変わる 世界と日本」「50歳から増やすおカネ」「IoT発進!」など。
>>週刊東洋経済編集部の制作にかける思い
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特集
テクノロジーの未来地図
[Prologue] 肥大化するGAFAM 変わり始めた旧来秩序
Part1 GAFAMの新競争戦略
強まるプライバシー保護の圧力 曲がり角のネット広告
4月1日の改正個人情報保護法施行で激変 日本企業の実務対応も待ったなし
TMIプライバシー&セキュリティコンサルティング 代表取締役 大井哲也
ゲーム、SNSの次なる舞台 メタバース熱狂の深層
大林組が慶応大と共同研究で実現 建設現場にもメタバース
[インタビュー] 「空中戦の力を身に付けろ」 IGPI共同経営者 IGPIグループ会長 冨山和彦
日本発のベンチャーも標的に 埋め込み型金融への猛攻 鈴木淳也
DXの需要増で持ち前の強み発揮 縦横無尽に狙うヘルスケア
世界のユニコーン比較で浮かぶ有望株 未来のGAFAMを探せ
Part2 分散型経済の衝撃
「ポストGAFAM」の最新潮流 ウェブ3.0に集まる熱視線
[インタビュー]「ブロックチェーンの力で搾取のない経済を実現」 Stake Technologies CEO 渡辺創太
ファンの熱狂を生む新商機 NFT×ビジネス最前線
獲得アイテムが儲けの種に 遊んで稼げるNFTゲーム
[インタビュー]「NFTを知らない人でも無理なく遊べるゲームを」double jump.tokyo CEO 上野広伸
[インタビュー] インターネットの先人が語るウェブ3.0のインパクト
「ビジネスだけではない 若者による社会変革だ千葉工業大学」千葉工業大学 変革センター長 伊藤穰一
「新たなコモンズが生まれ 再び『個人』が主役になる」 Mistletoe 創業者 孫 泰蔵
日本の銀行・証券も「ウェブ3.0」を意識 STOが占う金融業界の行方
ケネディクス、三井物産が相次ぎ実践 不動産で始まるトークン投資
米国は大統領令でイノベーションを意識 ステーブルコイン規制の行方
[インタビュー] 日本企業が見据えるウェブ3.0の未来
「オールジャパンでデジタル通貨の普及を」 インターネットイニシアティブ 社長 勝 栄二郎
「金やエネルギーなどの取引を個人にも提供」 三井物産デジタルコモディティーズ 社長 加藤次男
「NFTとクリプトを持つ体験を身近に」 メルコイン 取締役 伏見慎剛
「日常で友達とシェアするNFTにしたい」 LVC 社長CEO 林 仁奎
[Epilogue] 「デジタル敗戦」から日本は巻き返せるか
産業リポート
格安スマホ サバイバル
“敵に塩を送る”ような奇策開始 ドコモが格安スマホ囲い込む魂胆
MVNOへの挽回流入も 「個性派策」で狙う復権
ニュース最前線
ニトリ、薄氷の増益計画 期連続記録達成に大試練
三井物産「ロシアLNG」 肝煎り事業が陥る正念場
ディズニーのパワハラ裁判 「夢の職場」が抱える難題
連載
|経済を見る眼|日本銀行は長短金利操作を弾力化せよ|早川英男
|ニュースの核心|国家指導者を「狂人」とみてはならない|福田恵介
|発見! 成長企業|サクシード
|会社四季報 注目決算|今号の4社
|トップに直撃|西武・プリンスホテルズワールドワイド 社長 小山正彦
|フォーカス政治|戦争がとどめ刺すグローバル化時代|軽部謙介
|中国動態|中国外交を規定する「新冷戦」思考|益尾知佐子
|財新 Opinion&News|中国の不動産業界「資金繰り悪化」止まらぬ事情
|グローバル・アイ|自壊するのは帝国か米欧か? 政治分断の影と西側の「内憂」|チャールズ・ カプチャン
|Inside USA|24年の大統領選を左右か 今年の注目は州務長官選挙|安井明彦
|FROM The New York Times|追い込まれたプーチンが核兵器使用に踏み切る脅威
|マネー潮流|ロシア抜きの世界へどう変わるか|高井裕之
|少数異見|戦争の大義を考えることの必要性
|知の技法 出世の作法|日本との対話を凍結したプーチン政権の外交政策|佐藤 優
|経済学者が読み解く 現代社会のリアル|「排出権取引」の効率性 制度設計次第で異なる結果|遠山祐太
|話題の本|『厨房で見る夢 在日ネパール人コックと家族の悲哀と希望』編著者 田中雅子氏に聞く ほか
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