週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌

担当記者より
2023年11月11日号
2023年11月6日 発売
定価 850円(税込)
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【巻頭特集】タレント帝国の財務を暴く 解体! ジャニーズ経済圏

【第1特集】あなたの会社も狙われる アクティビスト全解明

巻頭特集は「解体! ジャニーズ経済圏」。未成年男子への性加害が大量発覚し、スポンサー企業が所属タレントの起用や出演を相次いで拒絶するなど、日本中で見られた「ジャニーズ頼み」の状況はついに瓦解しました。ジャニーズが貯め込んだ巨額資金の独自試算や同社を支えたジュニア育成の仕組みなど、タレント帝国の財務を暴きました。第1特集は「アクティビスト全解明」。著名アクティビストの連続インタビューや注目の経産省M&A新指針の読み解き方など、あなたの会社を狙うアクティビスト対策のリアルに迫りました。
 

【第2特集】上場維持か?  廃止か? 東証の審判


東証が市場制度改革に本腰を入れている。その波紋を探るとともに、上場廃止予備軍をあぶり出した。

担当記者より

巻頭特集「解体! ジャニーズ経済圏」を担当した常盤有未です。旧ジャニーズ事務所(現スマイルアップ)をめぐっては、記者会見のあり方や、新設するタレントマネジメント会社の社名、社長人事などに注目が集まっています。ですが、いちばん謎なのはジャニーズの財務力です。特集では「タレント帝国」とも呼ばれるジャニーズの財務を暴きました。

タレントのメディア露出の多さや抜群の知名度とは裏腹に、会社の実態はほとんど知られていません。スマイルアップの資本金は1000万円で業績は非公表。民間調査会社によると「親しい出入り業者でも売上高を聞くことすらタブー」といい、「(ジュニアの)育成システムがベールに包まれていること自体がジャニーズの特徴」(芸能事務所社員)という声が聞かれてきます。会社登記には決算公告を「官報に記載する方法により行う」とありますが、載せられた形跡はありません。

いったいどれほどの利益を得てきたのか、独自に試算しました。業績が公表されていない以上、唯一の手掛かりは国税庁が公表していた申告所得です。これを基に旧ジャニーズ事務所およびグループ会社の1980~2022年の累計利益を推定したところ、2332億円という数字がはじき出されました。独自の視点で14ページにわたって展開した特集をぜひお手にとってご覧ください。

第1特集「アクティビスト全解明」は経済産業省が8月に公表した「企業買収における行動指針」のポイントや、指針によりアクティビストや事業会社の買収に対する意識がどう変わるか徹底分析しました。アクティビストのインタビューやアクティビストに狙われそうな会社ランキングも収録した充実の内容です。

担当記者:常盤 有未(ときわ ゆうみ)
これまでに自動車タイヤ、トラック、輸入車、スポーツ・アウトドア、コンビニ、外食、通販、美容家電業界を担当。現在は『週刊東洋経済』編集部で特集の企画・編集を担当するとともに教育業界などを取材。週刊東洋経済臨時増刊『本当に強い大学』編集長。趣味はサッカー、ラーメン研究。休日はダンスフィットネスにいそしむ。

>>週刊東洋経済編集部の制作にかける思い

週刊東洋経済とは

週刊東洋経済

『週刊東洋経済』は、変化する世の中を確かな視点で解明する総合ビジネス週刊誌です。

創刊は1895年(明治28年)、日本国内で最も歴史のある週刊雑誌でもあります。企業戦略から主要業界事情、国内外の政治経済はもちろん、近年はビジネス実用、テクノロジー、社会問題まで、経済の複雑化やビジネスパーソンの関心の広がりに対応し、幅広いテーマを取り上げています。

一方で創刊以来、一貫しているのはセンセーショナリズム(扇情主義)を排除し、ファクトにこだわる編集方針を堅持することです。「意思決定のための必読誌」を掲げ、今読むべき特集やレポートを満載し、価値ある情報を毎週発信しています。

週刊東洋経済の編集方針

  1. 取材力
    当社に所属する約100人の経済専門記者が主要業界、全上場企業をカバー。国内外の経済や業界、企業などを深堀りし、他には読めない記事を提供。
  2. 分析力
    複雑な情報やビジネス慣習、制度変化などを分析し、的確に整理。表層的事象をなぞるのではなく、経済や社会の底流で起きている構造を読み解く
  3. 中立性
    企業や業界側の立場や事情に追従することなく、本誌記者は取材対象を客観的立場で分析・評価し、ときには忖度なく切り込む。

3つのポイント

視野が広がる幅広いテーマ
「健全なる経済社会を先導する」という創刊理念のもと、企業戦略やマクロ経済だけでなく、社会問題や海外情勢など幅広いテーマで特集を組み、中立的な立場で情報発信をしています。

図解や表でわかりやすく
ビジネス誌の中で随一の規模を誇る約100人の記者集団が、「経済から社会を読み解く」スタンスで徹底取材。旬な情報を図解や表にまとめて、わかりやすく解説します。

『会社四季報』の独自データで深掘り
約3,900社の上場企業すべてに担当記者を配置。財務情報から海外進出情報など『会社四季報』ならではのデータベースから独自の切り口で深掘りし、分析した連載や特集を『週刊東洋経済』で展開しています。

目次

巻頭特集
タレント帝国の財務を暴く  解体! ジャニーズ経済圏
独自試算 ジャニーズが貯め込んだ巨額資金

[インタビュー]識者はこう見る❶
「東山氏の社長兼務は利益相反の問題あり」 青山学院大学名誉教授 八田進二
「ガバナンス構築が効果絶大な典型例」 日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク理事長、弁護士 牛島 信

儲かるからやめられない! 雑誌・テレビ・映画の感度が鈍かった理由
[インタビュー]識者はこう見る❷
「人権尊重が建前どまり」 弁護士 中島 茂
「NGリストで信頼回復が台無し」 井之上パブリックリレーションズ会長兼CEO 井之上 喬

デビュー前でも露出の機会が豊富 帝国支えた「ジュニア」育成の仕組み
性加害と圧力はセット 詳細不明の「法を超えた補償」 鈴木エイト
事務所が得た利益の配分も加味すべきだ 最低でも1人1000万円の補償が妥当 紀藤正樹

第1特集
あなたの会社も狙われる アクティビスト全解明
[図解]アクティビストが日本市場に続々参入

[アクティビストインタビュー❶]
「対話を拒む企業は愚かだ」 オアシス・マネジメント CIO セス・フィッシャー
アクティビストに狙われる100社ランキング
買収巧者ニデック 豹変の理由 新指針1号案件の意外な一面とは 伊藤 歩

[アクティビストインタビュー❷]
「解体を企図した買収もよいはず」 ストラテジックキャピタル代表 丸木 強
「焼津水産は私物化をやめろ」 ナナホシマネジメント 松橋 理

[IR/SRインタビュー]
「新指針先取りの動きが出ている」 アイ・アールジャパン副社長 石垣昭之輔
「アクティビストを恐れすぎるな」 QuestHub代表 大熊将八

[図解]5分でわかる経産省M&A新指針
[「新指針」検討メンバーインタビュー]
「難しいのは真摯な対応」 弁護士 太田 洋
「裁判所は新指針を十分考慮する」 東京大学教授 田中 亘

いざというとき慌てないため、平時の備えこそ重要
総会直後も気は抜けない アクティビスト対策のリアル

フェアネス・オピニオンやMOMの導入を
敵対的な提案者でも公正な措置が必要 伊藤 歩

投資期間が長期化し平均リターンが低下
アクティビストは、東芝で案外儲けていない?

第2特集
上場維持か? 廃止か? 東証の審判

■「流通株式時価総額」が未達の47社
■「流通株式比率」が未達の23社
■「1日平均売買代金」が未達の8社

スタンダード市場の「上場廃止予備軍」 
■「流通株式比率」が未達の41社
■「流通株式時価総額」が未達の99社

ニュース最前線
後発薬最大手の不正に衝撃 サワイの呆れた放置の実態
競合3キャリアが猛反対 「NTT法見直し」の混迷
ソニー「PS5」テコ入れ 十時社長が異例の舵取り


連載
|経済を見る眼|間接的な波及効果を見据えた投資戦略|柳川範之
|ニュースの核心|外環道陥没事故から3年、今も続く住民の被害|岡田広行
|発見! 成長企業|アズーム
|会社四季報 注目決算|今週の4社
|トップに直撃|イトーキ 社長 湊 宏司
|フォーカス政治|所得税減税は政権の「オウンゴール」|牧原 出
|マネー潮流|来年、円は4年連続で弱い通貨に|佐々木 融
|中国動態|ルール形成に目的を変えた一帯一路|吉岡桂子
|財新 Opinion&News|中国の新築住宅販売、国慶節商戦明暗分かれる
|グローバル・アイ|ポーランドの選挙に学ぶ「正しい民意の示し方」|ヤツェック・ロストフスキ
|Inside USA|ロボタクシー運行停止で揺らぐ“安全神話”|瀧口範子
|少数異見|ジャニーズ被害と私たちの偏見
|ヤバい会社烈伝|京大アメフト部 体弱いんだから 頭使うっきゃないわ|金田信一郎
|知の技法 出世の作法|佐藤流・情報の収集と分析の手法㉝|佐藤 優
|経済学者が読み解く 現代社会のリアル|コロナ禍でも起きた混乱 「パニック買い」は防げるか|松田絢子
|話題の本|『ガンディーの真実 非暴力思想とは何か』著者 間 永次郎氏に聞く ほか
|社会に斬り込む骨太シネマ|『火の鳥 エデンの花』
|シンクタンク 厳選リポート|
|PICK UP 東洋経済ONLINE|
|ゴルフざんまい|シニアのゴルフは下り坂の人生を楽しむ|三田村昌鳳
|編集部から|
|次号予告|

今後の発売スケジュール

  • 11/4(火) 週刊東洋経済 2025年11月8日号

訂正情報

「週刊東洋経済2023年11月11日号」(11月6日発売)に、以下の誤りがありました。訂正してお詫び致します。
 
72ページ 「流通株式時価総額が未達」「流通株式比率が未達」の2つの表を差し替えます。「流通株式時価総額が未達」の表からは11社、「流通株式比率が未達」の表からは、ぴあなど10社を削除しました。表の試算値には東証に提出されている値と一定以上の誤差が生じる可能性がありました。関係各社にはご迷惑をおかけしましたこと、お詫び致します。
差し替えた表は、こちら
25ページ ■識者はこう見る 八田進二・青山学院大学名誉教授  

プロフィール欄                
【誤】現在は金融庁企業会計審議会委員など。
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【正】上記の1文を削除