週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌

担当記者より
2024年10月26日号
2024年10月21日 発売
定価 900円(税込)
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【第1特集】「負動産」回避の新常識 実家の終活

使用目的のない「放置空き家」は今や全国で385万戸にも上っています。その大半が相続した実家とされる中で、「負動産」の回避に向けてどう先手を打つべきでしょうか。本特集では空き家解消に向けた行政の取り組みのほか、2900人から回答を得た実家の片付けについての独自アンケートを基にトラブル例や解決術など経験者の声を紹介。また、最新データで見る全国空き家ランキングや、活況の空き家関連ビジネスに関する情報も掲載しています。
 

【第2特集】酒税改正で地殻変動 ビール大乱闘


2023年以降、新商品がスタンダードビール市場に続々参戦!

担当記者より

特集「実家の終活 『負動産』回避の新常識」を担当した中村正毅です。

以前に、遺品整理の現場に取材で立ち会わせてもらったことがあります。作業の様子を眺めていると、時折、業者の人が「千円札がありました!」「小銭がありました!」などと、大きな声で叫んでいる姿が目につきました。その業者によると、一軒家であれば遺品整理をする中でタンスや押し入れ、衣類などから平均10万円前後の現金が見つかるそうです。
 
悪質な業者になると、見つけた現金をそのまま黙ってポケットにしまう行為が横行しているといいます。そのため取材した業者では、スタッフが現金を目にして魔が差すことがないように、未然防止策として大きな声で申告させるようにしているとのことでした。

本特集では、業者に高額な料金を請求された事例を紹介しました。ただその良し悪しを見分けるのは、簡単ではありません。業者でないと手に負えなくなる前に、親と一緒に「生前整理」することがやはりベストな選択肢と言えそうです。

特集ではそのほかに、読者2900人の独自アンケートによる実家の片付けをめぐる悲惨な体験談や、空き家の解消に向けた行政の取り組みの紹介、損害賠償など空き家をめぐるリスクなどについて徹底解説するコーナーも設けています。是非書店で手に取ってご覧頂ければ幸いです。

担当記者:中村 正毅(なかむら まさき)
これまで雑貨メーカー、ネット通販、ネット広告、自動車部品、地銀、第二地銀、協同組織金融機関、メガバンク、政府系金融機関、財務省、総務省、民生電機、生命保険、損害保険などを取材してきた。趣味はマラソンと読書。

>>週刊東洋経済編集部の制作にかける思い

目次

第1特集
「負動産」回避の新常識 実家の終活

Part1
空き家問題最前線
放置への対策に国は本腰 空き家が招く国土の荒廃
相続のルールが激変する「2024年問題」
相続人判明に1年かかる例も マンション「空き家」の真実
放置すれば億円単位の賠償リスクも 空き家のコストを徹底解剖
改装した物件の売買が主戦場 活況の空き家関連ビジネス
[インタビュー]
不動産の「非常識」に挑戦 ジェクトワン代表 大河幹男
「訳あり物件」に商機 アルバリンク代表 河田憲二

Part2
実家の片付け
2900人独自アンケートで浮き彫りになる苦悩 実家の片付けめぐる大問題
典型的なもめ事を紹介 トラブル多発! 実家の相続と片付け
[Q&A解説]実家の保険 相続した実家の火災保険の手続きは? ほか
実家の片付けで押さえておきたい 親ともめない「生前整理」術

Part3
「負動産」の行く末

災害の激甚化で高まるリスク 空き家をめぐる行政の処方箋
最新データで見る 全国空き家ランキング
放置空き家率ランキング 
都道府県別/全国市町村別/
主要都道府県の市区町村別/
空き家率が高い県の市区町村別

第2特集
ビール大乱闘 酒税改正で地殻変動
発泡酒と新ジャンルが合流 生き残り懸けたバトル
悩めるヱビスとプレモル プレミアムビールの苦闘
[インタビュー]「お酒の役割が変わってきている」 グローバルダイニング社長 長谷川耕造

スペシャルリポート
ゲーム産業の成熟期をどう越える? プレステ「30周年」の曲がり角
ソニーがゲーマーを虎ノ門に誘い込むワケ
問われる「プレステ」の存在意義 ソニーが「IP創出」に全集中

NEWS&TOPICS最前線
セブン&アイに透ける焦り 名実ともにコンビニ専業へ
初の大型買収でも
沈黙” 他社の困惑招くエプソン
品薄の次は価格が高騰 「令和の米騒動」の真因


連載
|経済を見る眼|石破首相「金融所得課税強化」の是非|佐藤主光
|ニュースの核心|朝鮮半島で広まる「2つの国家論」|福田恵介
|トップに直撃||NTN 社長 鵜飼英一
|フォーカス政治|早くも命運が議論、石破政権の前途|歳川隆雄
|マネー潮流|意味合いが変化する日銀の独立性|森田長太郎
|中国動態|太平洋へのミサイル、目的は内向き|小原凡司
|財新 Opinion&News|中国ファーウェイが独自AI戦略で見せる執念
|グローバル・アイ|EUの競争力再建を阻む「各国のプライド」|ハワード・デービス
|FROM The New York Times|「AI万能論」は大間違い? 繰り返されるバブルの歴史
|少数異見|「渋ハロ」を観光資源として生かせ
|ヤバい会社烈伝|鹿沼グループ(ゴルフ場) 池で子どもが泳ぐって、何でもありか!|金田信一郎
|知の技法 出世の作法|佐藤流・情報の収集と分析の手法 78|佐藤 優
|経済学者が読み解く 現代社会のリアル|幼児教育の質向上により 小学生時点の学力が上がる|中室牧子 藤澤啓子
|話題の本|『あいまいさに耐える ネガティブ・リテラシーのすすめ』著者 佐藤卓己氏に聞く ほか
|名著は知っている|『言語の本質』[上編]
|社会に斬り込む骨太シネマ|『2度目のはなればなれ』
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|西野智彦の金融秘録|大平・前川会談の全貌③
|編集部から|
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