「コンサル新盟主 進撃のアクセンチュア」の特集と担当した大野和幸です。
コンサルティング業界はこの30年間、最も地位が上がった業界だと思います。私が学生のころは都市銀行が人気ナンバー1でしたが、いつしかそれが外資系の投資銀行などに代わり、今ではコンサル会社に変わったという印象です。と同時に人材の流動化も進み、同じコンサル会社に何年もいないというのも、ここ数年のトレンドでしょうか。
コンサルが華やかな業界というのはイメージ通りです。今回、覆面座談会で何人かのコンサルタントに取材しましたが、30代前半で年収2000万~3000万円もらっている人や、港区・湾岸のタワーマンションから近くの職場に通っている人もいました。稼いでいるのは確かなようです。
ただし、華やかさだけではありません。コンサルもクライアントあっての商売。クライアントは自社で解決できないからこそコンサルに頼るのですが、そういうJTC(日本的伝統企業)はそもそも保身的であり、外からコンサルが助言しても、簡単に理解してもらえるわけではないのです。耳の痛いところを突きながらも、どう相手を怒らせず納得させられるか━━。この辺の落としどころを素早く考え、実行できる人こそ、優秀なコンサルのような気がします。
とはいえ、「戦略案件」はそれで済むにせよ、デジタル的に効果が数字ではっきりできる「IT案件」は、そんな簡単では済まないようです。途中でバグが出るなど開発が思うように進まなくなれば、開発期間も延びて、金額(=クライアントから見ればコスト)に跳ね返ってきます。クライアント側のシステム部門の方も、コンサルに丸投げして非協力的であったりする場合もあるようです。
今号では、コンサル業界トップのアクセンチュアを中心に、コンサル他社の動向を含めた、最新の業界動向を体系的・網羅的に取り上げました。ぜひ手にとってご覧ください。
担当記者:大野 和幸(おおの かずゆき)
ITや金融、自動車、エネルギーなどの業界を担当し、関連記事を執筆。相続や年金、介護など高齢化社会に関するテーマでも、広く編集を手掛ける。