週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌

担当記者より
2025年8月23日号
2025年8月18日 発売
定価 950円(税込)
JAN:4910201340859

【第1特集】保険 大転換

生損保業界の相次ぐ不祥事を受けて、保険営業のルールを定めた保険業法と監督指針が11年ぶりに大幅改正されます。経営の転換を迫られる各社はどう対応していくのでしょうか。第1特集「保険 大転換」では、生損保11社のトップインタビューを中心に、各社の対応策や戦略、経営課題を浮き彫りにします。また、生保職員が他社の商品を薦める恒例の「生命保険お薦めランキング」を掲載。4カテゴリーの保険商品の得票上位を紹介します。第2特集は「80年目の戦争経済総決算」、深層リポートは「日本国債 非常事態」です。
 

【第2特集】80年目の戦争経済総決算


戦争を左右したのは経済力だった。通貨金融を駆使した日本の戦争経済を振り返る。

担当記者より

特集「保険 大転換」を担当した中村正毅です。今特集では、大手損害保険各社が代理店に出向させていた社員を引き揚げる動きについて取り上げています。

各社とも数百人に上る出向者の再配置は難易度が高いのではと見ていましたが、大手損保のある役員によると「実は本社部門は人手不足でウェルカム状態だ」といいます。

人手不足の要因の一つは、不祥事の続発で保険業界に見切りをつけた若手の転職。転職先として目立つのがコンサルティング会社だそうだ。ただ激務に耐えきれず、損保への出戻り組も少なからずいるといいます。

激務であるのは監督官庁の金融庁も同じ。「損保も相変わらず大変ですね」と金融庁職員と談笑していたら、その職員は損保業界への対応で多忙を極め、その日は2時間程度しか寝ていないとのことで全く目が笑っていませんでした。

特集では、変革に向けて苦悩する保険業界と金融庁との攻防の舞台裏を徹底取材しています。是非手に取ってご覧頂ければ幸いです。

担当記者:中村 正毅(なかむら まさき)
これまで雑貨メーカー、ネット通販、ネット広告、自動車部品、地銀、第二地銀、協同組織金融機関、メガバンク、政府系金融機関、財務省、総務省、民生電機、生命保険、損害保険、消費者金融などを取材してきた。趣味はマラソンと読書。

週刊東洋経済とは

週刊東洋経済

『週刊東洋経済』は、変化する世の中を確かな視点で解明する総合ビジネス週刊誌です。

創刊は1895年(明治28年)、日本国内で最も歴史のある週刊雑誌でもあります。企業戦略から主要業界事情、国内外の政治経済はもちろん、近年はビジネス実用、テクノロジー、社会問題まで、経済の複雑化やビジネスパーソンの関心の広がりに対応し、幅広いテーマを取り上げています。

一方で創刊以来、一貫しているのはセンセーショナリズム(扇情主義)を排除し、ファクトにこだわる編集方針を堅持することです。「意思決定のための必読誌」を掲げ、今読むべき特集やレポートを満載し、価値ある情報を毎週発信しています。

週刊東洋経済の編集方針

  1. 取材力
    当社に所属する約100人の経済専門記者が主要業界、全上場企業をカバー。国内外の経済や業界、企業などを深堀りし、他には読めない記事を提供。
  2. 分析力
    複雑な情報やビジネス慣習、制度変化などを分析し、的確に整理。表層的事象をなぞるのではなく、経済や社会の底流で起きている構造を読み解く
  3. 中立性
    企業や業界側の立場や事情に追従することなく、本誌記者は取材対象を客観的立場で分析・評価し、ときには忖度なく切り込む。

3つのポイント

視野が広がる幅広いテーマ
「健全なる経済社会を先導する」という創刊理念のもと、企業戦略やマクロ経済だけでなく、社会問題や海外情勢など幅広いテーマで特集を組み、中立的な立場で情報発信をしています。

図解や表でわかりやすく
ビジネス誌の中で随一の規模を誇る約100人の記者集団が、「経済から社会を読み解く」スタンスで徹底取材。旬な情報を図解や表にまとめて、わかりやすく解説します。

『会社四季報』の独自データで深掘り
約3,900社の上場企業すべてに担当記者を配置。財務情報から海外進出情報など『会社四季報』ならではのデータベースから独自の切り口で深掘りし、分析した連載や特集を『週刊東洋経済』で展開しています。

目次

第1特集
保険 大転換
[Prologue] 保険代理店に行政処分連発 求められる保険会社の変革

PART1
生保大激変

生保25社の社員が「他社商品」を評価 生命保険お薦めランキング
最新  医療保険、がん保険、収入保障保険、円建て一時払い終身保険
日本生命でも「スパイ」活動
生保でも続発する不正行為 金銭詐取の深い闇

PART2
動乱の生保

11年ぶり大幅改正の衝撃 業法改正が迫る構造転換
[新任社長インタビュー]
大樹生命保険 社長 原口達哉 「日本生命との化学反応で営業を立て直す」
富国生命保険 社長 渡部毅彦 「配当還元を拡充し顧客の支持拡大につなげる」
ライフネット生命保険 社長 横澤淳平 「金利ある世界で貯蓄性保険の必要性見極める」

[トップインタビュー] 大手生保4社のトップに経営課題と今後の舵取りを直撃
日本生命保険 社長 朝日智司 「基礎利益1兆円達成も運用や新契約には課題」
第一生命ホールディングス 社長 菊田徹也 「個人の金融資産拡大で資産寿命の延伸に照準」
明治安田生命保険 社長 永島英器 「イオンやL&Gなどと連携深め持続的に発展」
住友生命保険 社長 高田幸徳 「MS&AD合併会社と協業深め成長につなげる」

PART3
変革の損保

顧客軽視の保険販売は変わるのか テリトリー制廃止の真贋(しんがん)

[トップインタビュー] 損保大手4社のトップに信頼回復と今後の成長戦略を直撃
東京海上ホールディングス 社長 小池昌洋 「強固な経営チームで事業モデルを再構築」
損害保険ジャパン 社長 石川耕治 「風土変革と保険金部門への投資で経営を転換」
MS&ADインシュアランスグループホールディングス 社長 グループCEO 三井住友海上火災保険 社長 舩曵真一郎
「顧客本位を起点にして商品や事業構造を変革」
あいおいニッセイ同和損害保険 社長 新納啓介 「手数料の品質割合を高め代理店の自立を促す」

[ Epilogue ] 損保vs.代理店 手数料めぐる攻防戦の行方

第2特集
80年目の戦争経済 総決算
国債だけではなかった戦費調達 中国で苛烈なインフレ 高橋是清亡き後の錬金術
ある経済学者の戦時・戦後 「秋丸機関」戦力分析と「傾斜生産方式」の内実

深層リポート
日本国債 非常事態
国債を買えない銀行の事情

NEWS & TOPICS 最前線
監査法人も東証も見破れず オルツの「単純な循環取引」
ジャングリア沖縄が開業 成否を左右する刀の運営力
ルネサスの成長が〝息切れ〞 豪腕・柴田CEOの正念場


連載
|経済を見る眼|「ポストトゥルース」時代の年金不信|藤森克彦
|ニュースの核心|戦後80年、東南アジアとの新たな関係構築を|西村豪太
|トップに直撃|オリエントコーポレーション 社長 梅宮 真
|フォーカス政治|石破首相続投の先に党改革はあるか|牧原 出
|マネー潮流|米ドルの強さは変わらない|佐々木 融
|中国動態|誇示と裏腹に初歩的な中ロ合同演習|小原凡司
|財新 Opinion&News|中国「最高時速450キロ」高速鉄道の実力
|グローバル・アイ|民主主義を殺すグローバルエリートのネグレクト|ベルトラン・バドレ/エリック・アザン
|Inside USA|「個人主義の国」で広がる「共通善」という概念|会田弘継
|少数異見|見かけだけの「若者」に惑わされるな
|ゴルフざんまい|ベストスコアを 出すための考え方|小林浩美
|知の技法 出世の作法|佐藤流・情報の収集と分析の手法 115|佐藤 優
|話題の本|『アメリカの新右翼 トランプを生み出した思想家たち』著者 井上弘貴氏に聞く ほか
|名著は知っている|『ヒルビリー・エレジー』[中編]
|西野智彦の金融秘録|銀行行政が変わった日⑦
|21世紀の証言|連合前会長 神津里季生 その2
|編集部から|
|次号予告|

今後の発売スケジュール

  • 11/4(火) 週刊東洋経済 2025年11月8日号
  • 10/27(月) 週刊東洋経済 2025年11月1日号