スチュワードシップとコーポレートガバナンス

北川 哲雄編著/井口 譲二著/木下 靖朗著/小崎 亜依子著/高山 与志子著/林 順一著/林 寿和著
2015年1月30日 発売
定価 3,456円(税込)
ISBN:9784492733219 / サイズ:サイズ:A5判/ページ数:280

企業と投資家との関係が大きく変わろうとしている。2014年2月に金融庁により「日本版スチュワードシップ・コード」が制定された。そして8月に今度は経済産業省が「持続的成長への競争力とインセンティブ――企業と投資家の望ましい関係構築」プロジェクトの最終報告「伊藤レポート」を公表した。そして現在再び金融庁によって「日本版コーポレートガバナンス・コード」の制定が目論まれ、2015年2月の制定に向けて議論が活発に行われている。

これら3つプロジェクトは、資本市場にかかわるすべての関係者・関係機関、いわゆるインベストメント・チェーン全体に今後大きな影響を与える可能性がある。

これらのコードのポイントが、「Comply or Explain(遵守せよ、そうでなければ説明せよ)」の理念だ。

ソフトロー下における原則主義と実質主義の採用が機関投資家と上場企業にさまざまな未体験の重い課題への対応を迫る。



☆機関投資家の役割は、投資先企業の長期企業価値の向上を促すことによる収益の最大化。ショート・ターミズム(短期主義)に陥ることのない、企業との「高質な対話」と適切な議決権行使が求められる。

☆企業に求められるのは、持続的成長と中長期的な企業価値の向上策の提示と実行。ROE(自己資本利益率)の最低水準は8%。5%を下回る企業のトップ選任にはイエローカード。

☆独立社外取締役は複数に。大企業では1/3以上選任への対応が必要に。任意であっても指名・報酬委員会の設置が強く求められる。

☆政策投資株式(持ち合い)についても説明が必要に。ESG・非財務情報の開示も求められる。

☆企業はガバナンス体制について「ひな型的記述」を行うことはもはや認められない。

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概要

スチュワードシップとコーポレートガバナンスの2つのコードが一体となり促す日本企業の改革。
何が起こり、どこに向かうのかを示す。

目次

はじめに
第1章 インベストメント・チェーンと説明責任の環
第2章 英国のコーポレートガバナンス
第3章 過度なショート・ターミズムの克服を目指したケイ報告書の意義
第4章 日本版スチュワードシップ・コードと伊藤レポート
第5章 企業価値向上のイメージを描写する情報開示
第6章 経営者とのスチュワードシップ関係を追求する機関投資家像
第7章 ESG投資とそれをプロモートするアセット・オーナーの存在
第8章 取締役会評価の時代

著者プロフィール

北川 哲雄  【編著】
きたがわ てつお

1975年,早稲田大学商学部卒業,同大学院修士課程修了後,中央大学大学院博士課程修了.博士(経済学).野村総合研究所およびモルガン信託銀行(現 JPモルガン・アセット・マネジメント)調査部等においてアナリスト・調査部長を経験ののち,現在,青山学院大学大学院国際マネジメント研究科教授.
主要著書に,『アナリストのための企業分析と資本市場』(東洋経済新報社,2000年),『資本市場ネットワーク論 ―IR・アナリスト・ガバナンス』(文眞堂, 2007年),『 IRユニバーシティ』(国際商業出版, 2010年),主要共編著に『企業価値向上のための IR経営戦略』(東洋経済新報社, 2004 年),『証券アナリストのための企業分析(第 4版)』(東洋経済新報社,2013年),がある.

井口 譲二  【著】
いぐち じょうじ

1988年,大阪大学経済学部卒業.日本生命保険相互会社入社後,ニッセイ基礎研究所でマクロ経済予測業務に従事. 2000年,ニッセイアセットマネジメント株式会社に入社.金融・素材セクターのアナリスト,投資調査室長を経て,現在,株式運用部担当部長,コーポレート・ガバナンス・オフィサー.
主要論文に,「財務諸表利用者は IR情報をどう評価するか」『企業会計』(2013 年7月),「非財務情報( ESGファクター)が企業価値に及ぼす影響」『証券アナリストジャーナル』( 2013 年 8月),「ストーリーのあるコーポレートガバナンス」『商事法務』(2014 年 4 月 15 日),がある.

木下 靖朗  【著】
きのした やすあき

1991年,大阪大学経済学部卒業後,ロンドン大学大学院修士課程修了( MSc. in Financial Management 取得).日本生命保険相互会社入社後,東京およびロンドンでアナリストおよびファンドマネジャーとして外国株式運用に従事,リーマン・ブラザーズ・インターナショナル(英国)で株式引受業務等を経験ののち, 2004年,ニッセイアセットマネジメント株式会社に入社.国内株式のアナリストを経て,現在は株式運用部チーフ・ポートフォリオ・マネジャーとして国内株式対話型運用を担当.

小崎 亜依子  【著】
こざき あいこ

1996年,慶應義塾大学総合政策学部卒業後,ピッツバーグ大学公共政策国際関係大学院修了.野村アセット・マネジメントを経て,株式会社日本総合研究所に入社.現在,創発戦略センター / ESGリサーチセンター?マネジャー.主に環境・社会・ガバナンスの観点からの企業評価を手がけ, ESG課題を考慮した投資や融資の実践を支援している.日本証券アナリスト協会「企業価値分析における ESG要因研究会」委員.
主要論文に,「国内外における ESG投資の現状と考察」『証券アナリストジャーナル』( 2011 年 5月),「事業環境変化により生じてきた“新たな企業不祥事”とは」『月刊監査役』(2013 年 3月),がある.

高山 与志子  【著】
たかやま よしこ

1980年,東京大学経済学部卒業,エール大学経営大学院修了(MBA取得),東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了,博士(社会情報学).メリルリンチ証券会社ニューヨーク本社,ロンドン,東京にて資金調達・ M&A等の投資銀行業務に携わる.現在,ジェイ・ユーラス・アイアール株式会社のマネージング・ディレクターとして,戦略的 IR,コーポレートガバナンスの実効性向上に関するコンサルティングを行う.ICGN(International Corporate Governance Network)理事,日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク理事.主要著書・論文に,『〈社外取締役〉のすべて』(共著,東洋経済新報社,2004年),『株主が目覚める日 ―コーポレート・ガバナンスが日本を変える』(共著,商事法務,2004年),『機関投資家対応 IR・株主総会マニュアル』(共著,中央経済社,2007 年),「取締役会評価とコーポレート・ガバナンス」『商事法務』(2014 年9 月15日),がある.

林 順一  【著】
はやし じゅんいち

1982年,慶應義塾大学商学部卒業,マンチェスター大学経営大学院修了,筑波大学大学院修士課程修了後,青山学院大学大学院博士課程修了. MBA,修士(法学),博士(経営管理).第一勧業銀行(現みずほ銀行),みずほフィナンシャルグループ,みずほ証券等を経て,現在,日土地アセットマネジメント株式会社に勤務.青山学院大学国際マネジメント学術フロンティア・センター特別研究員.主要論文に,「委員会設置会社導入の有無と企業の現金等保有高の関係分析」『マネジメント・ジャーナル』(第 5号, 2013年),「日本企業の CSR情報開示の決定要因分析についての一考察」『日本経営倫理学会誌』(第 21号, 2014年),がある.

林 寿和  【著】
はやし としかず

2005年,京都大学工学部卒業.エジンバラ大学大学院修了(経済学修士),ケンブリッジ大学経営大学院修了(技術政策修士).官庁勤務を経て,株式会社日本総合研究所に入社.現在,創発戦略センター / ESGリサーチセンター ESGアナリスト.主に環境・社会・ガバナンスの観点からの企業評価を手がけ, ESG課題を考慮した投資や融資の実践を支援している.
主要論文に,「日本の株式市場におけるショート・ターミズム(短期主義)の実証分析」『証券アナリストジャーナル』( 2013 年 12月),「中期経営計画の開示行為に対する株式市場の反応の検証―投資家は中期経営計画のどこを評価しているのか」『企業会計』(2014 年 7月),がある.