週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌

担当記者より
2021年1月16日号
2021年1月12日 発売
定価 730円(税込)
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【第1特集】激動 マンション・住宅

コロナ禍の下で、マンションも戸建ても販売現場はまさかの活況を迎えています。指摘されるのは、在宅勤務の急速な普及が住宅へのニーズを変えていること。「都心から郊外」「立地より面積」を求める消費者が目立ちますが、こうした価値観は定着するのでしょうか。

誰も予想しなかった「コロナ特需」の現状を徹底取材。豊富なデータを交え、「都心vs.郊外」をキーワードに住宅の産業構造の変化、需要の先行きを占います。
 

【第2特集】群馬の巨人 ベイシアグループの正体


創業者一代でグループの売り上げが1兆円に到達したベイシアグループ。ホームセンター、スーパー、作業服チェーンなど約1900店を展開する巨大流通集団の全貌に迫る。
 

担当記者より

特集「激動 マンション・住宅」を担当した森創一郎です。在宅勤務に感染予防…。マンションデベロッパーやハウスメーカーでは「新常態」に対応する住まいの模索が続いています。

あるハウスメーカーの開発担当者は、昨年の緊急事態宣言下に、仕事場所を求めて1歳のお子さんがいる自宅の中をぐるぐるとさまよったそうです。リビングや寝室などいろいろ試した結果、最適な場所だったのが意外にもクローゼットの中。狭いながらも、音が漏れることもなく、仕事に集中できたのでしょうか。

そんな経験を基に、チームメンバーが一度も顔を合わせることなく急ごしらえで開発した防音仕様のワークスペースが大ヒット。昨年6月の販売開始直後から現在に至るまで、契約棟数を伸ばしています。

一方で、自由に使える大空間を売りに、20畳以上のリビングを備えた住宅を訴求するハウスメーカーもありました。モデルルームを見学すると「わが家を世界一幸せな場所に」というキャッチフレーズの通り、仲良しで円満な家族の姿が目に浮かびます。でも、家族は24時間・365日、何十年も円満が続くとは限らない。そう考えると、たとえ在宅勤務がなくなったとしても、1人でこもれる居場所は一家に絶対必要なのではないかと思ったりもしました。

首都圏に緊急事態宣言が再発出され、企業の在宅勤務はますます拡充されることでしょう。前述の担当者は、今でもクローゼットの中で在宅勤務を続けているとのこと。新しい時代の住みやすい家とはどのようなものなのか。ぜひみなさんもページをめくりながら想像してみてください。

担当記者:森 創一郎(もり そういちろう)
東洋経済記者。1972年東京生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科修了。出版社、雑誌社、フリー記者を経て2006年から北海道放送記者。2020年7月から『週刊東洋経済』契約記者。

>>週刊東洋経済編集部の制作にかける思い

目次

第1特集
激動 マンション・住宅

[図解]マンション・戸建て まさかの「コロナ特需」

Part1 都心 vs. 郊外
郊外への関心が高まるが… 民族大移動は起こるのか
活況の裏に「マンション転売ヤー」の存在 取引が増えた駅、減った駅
ファイナンシャルプランナーが検証 都心と郊外の「現実的ライフプラン」
住宅トップに直撃 ニューノーマル時代の住まいとは? 野村不動産社長 宮嶋誠一/ 積水ハウス社長 仲井嘉浩

Part2 販売最前線
迫り来る新たな“うねり”  住宅業界を覆う「新常態」
[マンション編]在宅需要取り込みに苦心
「価格は上がる可能性もある」東京建物取締役常務執行役員 住宅事業本部長 秋田秀士
 [戸建て編]“あの手この手”の総力戦
積水ハウス/大和ハウス工業/オープンハウス/ケイアイスター不動産
「通勤に便利なエリアが人気」オープンハウス社長 荒井正昭
「注文から分譲への流れは続く」ケイアイスター不動産社長 塙 圭二
コロナ禍だからこそ注目したい 中古マンション選びの勘所
「水害ハザードマップ」に注目 重要度が増す「防災」意識
減税や保険のメリットを検証 住宅ローンを使いこなす

Part3 不動産投資
売買は堅調、家賃は軟調 忍び寄る空室増加の影
レオパレス21再建のカギ握る ビレッジハウスの正体
業界健全化の裏で迫る賃料減額の足音 サブリース襲う「2025年問題」
コロナ禍でどうなった? マンション・駅 値上がり/値下がりランキング

第2特集
群馬の巨人 ベイシアグループの正体
小売り不況と無縁のカインズとワークマン 正反対の経営で急成長
膨張ではなく成長を追求 純血主義からは変わっていく」 創業者 土屋嘉雄
「強いリーダーシップは不要 各社が“とがる”ことが重要だ」 カインズ会長 土屋裕雅

スペシャルインタビュー
フューチャー会長兼社長 金丸恭文
「デジタルと規制改革で日本は復活できる」


ニュース最前線
後手に回ったコロナ対策 「緊急事態宣言」を再発令
日経平均「3万円台」説も 株価楽観論に潜むリスク
三菱UFJ銀が大抜擢人事 新頭取に託された課題


連載  
|経済を見る眼|悲観は不要、長期の構造変化に対応を|柳川範之
|ニュースの核心|意外に効果大!?  新試算で浮上した年金改革案|野村明弘
|トップに直撃|豊田通商社長 貸谷伊知郎
|フォーカス政治|コロナ失策生むあしき「日本モデル」|山口二郎
|グローバル・アイ|米中テック戦争の切り札は米国でなく欧州が握る|アヌ・ ブラッドフォード
|INSIDE USA|学校予算を3倍に 新大統領が挑む教育改革|安井明彦
|中国動態|米国は中国に「だまされた」のか|富坂 聰
|財新|中国の穀物輸入が3割増に急拡大アリババなど3社が独禁法違反で罰金
|マネー潮流|政府への抱きつき戦略を続ける日銀|木内登英
|少数異見|教育格差が生んだ米国の「分断」と「対立」
|知の技法 出世の作法|負のスパイラルに入った菅義偉内閣の行方|佐藤 優
|経済学者が読み解く 現代社会のリアル|一斉休校の生徒への影響 懸念される教育格差拡大|池田将人
|リーダーのためのDX超入門|動き出した「デジタル通貨」の本質|山本康正
|人が集まる街 逃げる街|三重県 四日市市|牧野知弘
|クラシック音楽最新事情|オーケストラ生演奏と 『ジョーカー』の融合|田中 泰
|話題の本|『 杉原千畝の実像』著者 古江孝治氏に聞く ほか
|経済クロスワード|不動産投資
|「英語雑談力」入門|test the water(s)|柴田真一 
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