週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌。

担当記者より
2021年7月31日号
2021年7月26日 発売
定価 730円(税込)
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【第1特集】相続の新常識

相続をめぐる環境が激変しています。昨年末には与党の税制改正大綱で「相続税と贈与税の一体化」が打ち出され、年110万円まで非課税だった生前贈与が数年以内に認められなくなる可能性が出てきました。「贈与するなら今年が最後の機会」との声も上がっています。

本特集では相続のイロハから、認知症対策として最近関心が高まっている家族信託の使い勝手など新しいテーマまでカバー。ビギナーからベテランまでの幅広いニーズに応える決定版です。
 

【第2特集】結婚式企業サバイバル


密の回避、婚姻組数の激減などが業界各社への大打撃に。縮小市場でどう生き残るのか。

担当記者より

特集「相続の新常識」を担当した大野和幸です。親が死亡し、遺産を受け継いだ際、ある一定の金額を超えると、相続税がかかります。相続税を避けるために有効な手段が、親が生きているうちに子どもに財産を渡す「生前贈与」。年間110万円以内であれば贈与税もかからないので、富裕層とは言えないまでも、そこそこ小金を貯めてきた中所得層は、毎年せっせと110万円を贈与している家庭が多いはずです。

ところが、この“コツコツ贈与”がもう使えなくなるかもしれません。生前贈与が持つ非課税措置に「待った」がかかる可能性が出てきたのです。自民・公明両党がまとめた昨年末の税制改正大綱で、“相続税と贈与税の一体化”が挙げられたからです。平たくいえば、欧米と同様、贈与税を実質廃止して相続税一本にまとめてしまおう、というもの。この大綱が発表されて以降、税理士業界は大変ザワザワしています。

背景には、コロナ禍で際立った「格差固定化の防止」があります。もちろん財政悪化に歯止めをかけたい財務省の思惑もあるでしょう。世論の反発を恐れ、所得税や消費税を上げるのはタブーな一方、最も手を付けやすいのが資産課税です。相続税や贈与税であれば、最高税率はいずれも55%でこれ以上上げられませんが、非課税措置をなくすならばやりやすい。その標的がプチ富裕層であれば、“庶民いじめ”ととられることも少ない。当局や財政族の思いを代弁するなら、そんなところでしょうか。

いずれにしても、財産を少なからず持っている層には、無視できない話です。これから今年末の大綱作りに向けて、詳細が制度設計され、早ければ来年からの通常国会で法案化されていく流れになるでしょう。

これら最前線の舞台裏に加え、今号では相続の仕組み、トラブルとその解消法、3大都市相続税額「試算」MAPなど、さまざまな話題をてんこ盛りにしました。ぜひ手に取ってご覧ください。

担当記者:大野 和幸(おおの かずゆき)
東洋経済新報社入社後、精密、コンピュータ、通信、銀行、自動車、エネルギーなどの業界を担当。2014年7月からニュース編集部編集長。東洋経済オンライン編集部長、週刊東洋経済マンスリーエディション編集長を経て、現職。

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目次

第1特集
相続の新常識

1.相続をめぐる最新事情
迫る相続・贈与税の「一体化」 生前贈与には頼れない
 [インタビュー]自民党税制調査会長 衆議院議員 甘利 明
「資産課税は海外同様 一本化が望ましい」
配偶者を保護、遺言書では現実対応も 高齢化に沿った19年改正の狙い

2.相続発生でやるべきこと
手続きから財産評価、優先順位まで 相続をゼロから知る
財産評価から税率、控除まで 相続税はこう計算しよう

3.もめる相続、もめない相続
肉親だからこそお金は譲れない 遺産分割のトラブル解消 ●福谷陽子
あなたの相続税・贈与税はいくら? 財産別に見る税額シミュレーション
夫の死後も妻は10年生きる 配偶者が報われる時代に ●浅川典子
高齢の親が認知症になっても困らない 家族信託で財産を動かす ●宮田浩志
第三者に任せても安心できない 成年後見ビジネスの実像
2021年最新路線価で見る 相続税「駅別」試算MAP 首都圏/関西圏 /中部圏 ●浅野恵理

4.今から備える税金対策
生前贈与から生命保険活用まで 王道で臨む、賢い節税 ●山崎信義
相続専門YouTuberが教える ①相続に強い税理士とは ②税務調査はこう乗り切れ ●橘 慶太

第2特集
コロナで損失1兆円! 結婚式企業サバイバル
単価600万円を超える"あのホテル"の着眼点 縮むホテル挙式で健闘する「ハイエンド開拓」の勝ち組
ホテルの盲点突く"欠点がない"挙式 コロナ禍で「完売」東京會舘の底力
[インタビュー]リクルート マリッジ&ファミリーディビジョン統括本部 ディビジョン長 早川陽子
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日本の決済ベンチャー買収 グーグルが描く「金融の先」
セガサミーが「脇役」シフト 横浜カジノで静かな異変
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